ピカレスクロマン ―転―【ガスパー】 ページ7
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そんなに小さな口で、どう捕食をしているのだろう。それが気になったために怪物はショクジの支度をする人間の後ろを雛鳥のようについて回った。人間はそんな怪物に苦笑しつつも拒絶しない。刃物や火を扱う時以外、怪物の好きにさせた。
そう、人間は刃物で自分の頭より大きな食物を刻み、火にかけてみせたのだ。人間はそこまで牙が鋭くないから、なるほど研いだ石の類いを代用するのは聡明であるなと感心した。しかし問題は火である。人間は捕食のために火を扱うのである。火といえば落雷を受けた木の燃え上がるそればかり見てきた怪物は仰天した。調理台なるもののつまみを捻って火を点けて、その上でしばらく温めた鉄の器に油を引き、小さな人間でも難なく口にできる大きさとなった魚を寝かせるように入れる。油が跳ねる音が響く。怪物は頭髪をこっそり逆立てた。
人間は火の扱いが上手い。今まで食らってきた人間が、火を携えていなかったことは幸運だったのだろう。もしかしたら自分が火にかけられて喰らわれていたかもしれない。火を持った人間には気をつけなければならないなと、怪物は無言のまま真剣な顔つきで頷いた。
なにはともあれ、慣れた手つきで人間はリョウリをこさえた。大小様々な皿に種類ごとに盛られたそれらの醸す香りはなんとも好ましい。先程湖の魚達を粗方攫った怪物だが、連られて再度空腹感に苛まれていた。怪物との出会い頭の大興奮以来、自室に籠もってしまった養い親を呼んでくると言って人間はこの場を後にしている。
……一皿ぶんくらい、良いのではなかろうか。人間は嚥下した食物を貯める袋状の臓器が小さい。だから一皿減ろうと大して問題無いのでは、と魔が差し始めた。生よりも美味しいらしいショクジ。あの物識りが、生よりも美味しいと言った、魚のリョウリ。今更ながら、怪物はかれこれ数時間食欲と好奇心で気分が高揚し通しだった。
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烏衣(プロフ) - 三日月リンさん» 閲覧ありがとうございます！わざわざコメントして頂いたのに申し訳ないのですが、メリーさんとアンナだとクラスが異なりますのでルームメイトは遠慮させてください……その代わりに、よく二人でアクセサリーを見に行くような友人関係を結ばせては頂けないでしょうか…？ (2018年10月21日 18時) (
レス) id: e4c92fe861 (このIDを非表示/違反報告)
三日月リン - コメント失礼します！よろしければうちのメリーとアンナちゃんをルームメイトにしていただけますか？ (2018年10月7日 12時) (レス) id: ac270a254f (このIDを非表示/違反報告)
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