もしもし冥途ちゃん！【文豪ストレイドッグス】

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「 そういえばAさんって、メイドさん…なんですよね？
メイドさんって何されてるんです？ 」








目的地迄の道のり、Aの事をもっと知りたいのかはたまた暇なのか、敦はふと思ったことを本人に問うた。
メイド、と聞けば普通のカフェかメイドをメインとしたコンセプトカフェ等があるが…Aの場合は前者であった








『 さっきまでいたうずまきさんの所のウェイターさんとあまり変わらないですね…強いて言えば違うのは服装がアレよりも短いもの…くらいですかね？ 』






「 アレよりも…短い… 」






『 敦くーん？戻ってきて欲しいです… 』








敦は彼女の服装をもんもんと思い浮かべた。アレよりも短い…ミニスカァト…ってコト！？敦は一人で顔を赤くした。何を考えてるんだと言う様にぺし、と叩かれる。痛、と小さく零すも口元は弧を描いていた


ちなみにAが敦呼びなのは先程本人から泣きながらお願いされたため、とここに記載しておく








「 んん、ていうかもう敬語辞めてください！僕の方が歳下なので！ 」






『 ううん…そうは言っても、もう敬語が癖で…職業病かもしれません 』








えへへ、と困ったように笑うAに、また小さく胸を高鳴らせる敦。それでもどうしても敬語でない話し方のAが見たい。あわよくば僕だけに敬語を外して欲しい。敦VSA、という彼の中の勝手な勝負は今火蓋が切って落とされた








「 じゃあじゃあ、じゃんけん！じゃんけんして僕が勝てば敬語外してください！ 」






『 …そんなに敬語、嫌？ 』






「 へあ 」








なんの前触れもなく敬語を崩した話し方。男は情けない声が口から出た








『 ふふ、敦くん必死なんだもの。それに歳下だからっていうのも一理あるから。



…敦くんだけ、ね？ 』








人差し指を口に当て、しい、とポーズを取るA。その彼女の姿も、自分だけという優越感を急に与えられた敦はこの胸の高鳴りを止める方法を知らない








『 頑張って慣れるね 』






「 あ、う…はひ… 」








敦がもじもじと顔を赤くして使い物にならなくなった頃、漸く目的地へと辿り着いた








( うう、Aさん…私にも敬語を崩して欲しいのに…ッ！！ )








樋口は、Aと敦の会話を全て聞いていたのだ












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