もしもし冥途ちゃん！【文豪ストレイドッグス】

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彼女から流れる涙は、宝石みたいだと、後に中島敦は語った




国木田率いる太宰、敦の3人が事務所に到着したあと、事はとんとんと解決していった


国木田が谷崎に話しかけ、敦が足を震わせながら谷崎を宥めたり谷崎がぶっ飛ばされたり最後に敦が爆弾を上から抱えて爆発………は、せず。この一連の流れが採用試験だと告げられた敦は呆然とした。なんだ…よかった…と








「 …そ、そういえば、その人、その、女の子は… 」






「 ああこの子？
この子はAちゃん。私が贔屓しているカフェのメイドさんだよ 」








敦は未だ緊張で震える手を頑張って持ち上げ、Aを指で指した



太宰に肩をぽん、と押され紹介されたAは自己紹介をするため1歩前に出た





…出た、のだが








『 …あの、 』






「 あわわわ… 」






『 …？ 』






「 わ！わ！近！づかないで、くださひ…… 」








顔の前で腕をバツにして遠ざかっていく彼にAは困惑状態に陥った。あれ、初対面なのにこんなに嫌われてる事ある？


1歩近づけば1歩、2歩近づけば3歩と後退りする敦。その行動はAの顔が良すぎるための照れから来ているのだがどうやら彼女には意図までは伝わらないらしい








『 …だざいさん 』






「 あーあーAちゃんにはそんな悲しそうな顔は似合わないよ…ほら、私の手を取って… 」






「 おい唐変木何をする心算(つもり)だ 」








ひん、と悲しそうな顔をするAに優しく怪しく慰めに入り彼女の手を取る太宰。それにすかさず止めに入る国木田。未だ恥ずかしがっている敦。何が何だかよく分かっていない谷崎。谷崎に愛のタックルをする2秒前のナオミ








「 ふふ、白く柔らかく、綺麗な指だね…この指で私の首を絞めてくれはしないかい…？大丈夫、Aちゃんの首は私が 」






「 こンのクソ太宰！！！！ 」








太宰がAの首に手をかけた瞬間国木田が太宰にタックルをした。ナオミが谷崎に愛のタックルをかましたのと同じタイミングであった。しかしAはまだしくしくと泣いている。意外と傷つきやすいタイプである


そしてこの茶番は、社長が痺れを切らして部屋へ入ってくるまで続いた












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