もしもし冥途ちゃん！【文豪ストレイドッグス】

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『 なるほど、採用試験… 』








ちゅーとストローから流れ込んでくる黒い水をこくこくと飲む。太宰はその様子でさえも食い入るように目に収めた








『 …見すぎです 』






「 Aちゃんの喉仏、動いてる… 」






『 そりゃ動くでしょうよ


もう、話戻してくださいっ 』








アイスコーヒーをどん、とテーブルに置いて相手を急かす。急かされた相手はそうだった、と零して話を続けていく








「 採用試験、の話だったよね。
実はこの後を予定してるんだけど、ここでAちゃんにお願いがあるんだよ 」






『 …それのお手伝い、ですか？ 』






「 流石、物分りがいい子だね 」








ぱちん、とAに向けて放ったウインクは軽く躱されてしまった。だが太宰は落ち込まない。なぜなら日常茶飯事だからである








『 楽しそうっ私でよければお邪魔しても？ 』






「 勿論だよ！きっと与謝野女医も喜ぶよ 」






『 あ…いや、与謝野せんせ… 』






「 …ああ、そう言えばAちゃんは… 」






『 毎度貞操の危機を感じます 』






「 …私から離れないでいればいいよ… 」








さて、ここで少し前の話をしよう


Aは与謝野女医が苦手である。嫌いではない、寧ろ好きな部類に入る。が

与謝野はAを見る目が他と違う。解体対象ではなく、もっと熱の篭ったモノ
以前意識を失うほどの怪我を負った際、治療をしたのは与謝野だった。目を開けると医務室の天井…ではなく、与謝野の顔。腕と足が縛られ、服は下着のみ。回らない頭で状況整理をするも、考えがまとまらない。そんな時に上からかかった声








「 さァてA…？今から妾と楽しいコトしようねェ…♡ 」








Aは意識を手放した。自ら手放した。これは夢であれ、と


後にたまたま医務室に入ってきたナオミが皆を呼びギリギリの所で貞操は保たれた。翌日から与謝野は少しだけしおらしくなった。反省したのだろう。少しだが



そして現在

ちなみに恐怖で埋め尽くされている脳では何も考えられないAは『 はい… 』と答えた。太宰はそんな返答が帰ってくるとは思ってなかった故本日二度目の驚いた顔をかます。この時ばかりは与謝野女医に感謝した








『 …腹括ります。もう行きます？ 』






「 うん、じゃあそろそろ行こうかな



…Aちゃんは先に探偵社へ向かってくれ給え。事情は賢治くんから聞いてね 」











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