中島敦の来店 ページ14
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一目惚れ、だったのだと思う。
あの日、情報が一気に頭に入りすぎて頭がパンクしそうになった、あの日。僕は絶対に恋に落ちた。
あの時探偵社に入りまず目に入ったのは彼女だった。捕らえられている、という点ではなく、なんて綺麗な女性なのだろうと思った。
見目麗しい姿、長く艶やかな髪、スカァトからすらりと伸びた綺麗な脚。そして何よりも、あの大きな瞳からこぼれ落ちる宝石のような涙。睫毛に付いた涙の粒でさえも光り輝いていた。あの日の彼女…Aさんの姿は、絶対に忘れることは無い。
そして僕はあの日から、彼女の事を忘れられないでいる。
任務中も書類整理の時もAさん、家に帰ってもAさん、色んなカフェの前を通ってもAさん、毎日AさんAさんAさんで、正直もう頭がどうにかしそうだ。
そして今何故僕がその話を持ち出しているかと言うと。
「 …来てしまった 」
来て、しまったのだ。Aさんが働く〈 喫茶
扉の取っ手を掴んだところで我に返ってしまった。僕は、知らない間に、何故ここに。理由は明白、彼女に逢いに来たため。我ながら即行動が過ぎる。
はあ、と自分の行動力の良さにため息を付いていると店の内側から扉が開いた。
「 わ!す、すみませ… 」
『 やっぱり敦くんだ 』
扉を開けたのは、今僕が想っていた人だった。
『 ずっと扉の前でわたわたしてるのが見えたから…此処にサボりに来ちゃった? 』
「 え、あ 」
くすくすと可愛らしく笑うAさんに返答が遅れてしまった。言葉にならない声を上げる僕にまた笑うAさん。か、かわいい。
『 ふふ、ごめんね…入る? 』
扉を開けて出迎える体制を取ってくれる彼女に数秒ほど見蕩れてしまう。その後すぐお礼と同時に中に入ると『 いらっしゃいませ 』と花も恥じらうほどの笑顔が見えた。
「 いっ…いらっしゃいまし、タ 」
『 ふふ、なにそれ 』
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零桜 - すっ、好き…冥途ちゃん。はわ、可愛い。更新待ってます! (9月18日 8時) (レス) id: fe567fe024 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - アァ‼︎終わらんとってぇ〜‼︎ (2022年12月7日 21時) (レス) @page29 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 続き待ってますぅ!! (2022年6月9日 16時) (レス) @page29 id: 41724ba062 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライのカス - え、え、え??か、可愛い…え?好き…お、?面白い…好き!!!!!! (2021年12月1日 17時) (レス) @page15 id: fb2299d8e5 (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - オープニングが素敵すぎる…!!主人公も魅力的だし、これからが楽しみです!頑張ってください〜! (2021年11月23日 22時) (レス) @page3 id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷぷ | 作成日時:2021年11月22日 1時