＊ ページ7
．
掴んでいた腕を解いて、周りのやつに
見せ付けるように腰を抱いてエスコートする。
「あれ、ジュンタくーん！遅かったやんか」
店に入るなり近づいてきたのは
この店のナンバースリーのアキト。
彼の声の大きさに驚いたのかはわからないが、
俺のスーツの裾をそっと掴んでいたのは
無意識なんだろうけど、
俺の頬を緩ませるのには十分で。
「ちょっとこの子が後輩に絡まれとってさ、」
「ふーん、」
興味無さそうな相槌はどうでもいい。
でもきっとアキトにはバレてる恋心。
俺はとりあえずはやくふたりきりになりたくて、
アキトの隣を過ぎて奥の雰囲気ある席に
行きたかったのに。
「どうでもええけど、ミカ待っとるよ。
少し怒ってるで？」
「あっ、」
ミカというのは俺をナンバーワンにしてくれた人
と言っても過言ではない人で。
一日おきに来てくれてくれるのだけれど
今日がその日ということをすっかり忘れていた。
確かに綺麗だが、恩はあるけど好意はちっとも。
…あっちはどう思ってるか知らないが。
「ちゃんと行った方がええと思うで？
今タカヒロが相手しとるけどさ、
アイツ今週調子ええみたいやし…抜かれるで」
「え、タカヒロなん」
「ジュンタくんおらんなら、ナンバーツーが
相手するに決まってるやろ！ミカやで？」
「……たしかに」
「ほらほら、考えてもしかないんやから行き？
…この子は俺が相手しておくからさ？」
「アキト、」
「わぁーかってるって！
とって食ったりなんかせえへんよ。
そんなんしたら俺の命が危ないもん」
「絶対やでほんま、すぐ戻ってくるから」
「ごめん、こいつと待っとって？」
「いや、私帰りますよ？お忙しそうですし…」
「だーめ、いい子で待ってて」
「…はい、」
ぽんぽんと、頭を撫でてあげたら
まるで猫のように目を細めて軽く笑みを作るから、
名残惜しかったけれど急いでミカの元へ向かった。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぼんぼん。
| 作成日時：2018年10月21日 0時
