好きの二文字【K.T】 ページ13
．
「なーあ、そろそろ好きになってくれた？」
図書室で本を読む私の前の席に座り、頬杖をついて
クリクリの目でまっすぐ見つめてくる彼を、
可愛いと思うとともに
ドキッとしたとは絶対言えない。
「絶対好きにならないって言いましたよね？」
「なんで？わからへんやん、そんなの。
ちゃんと俺と向き合って出した結果なん？」
「だって、神山くんと付き合う理由がないもん」
「でも付き合わない理由もないやろ？」
ニッと笑う彼に何を言っても適わない気がして、
読んでいた本をパタンと閉じ、元の本棚へ戻す。
自分の背より少しだけ高いところに戻すために
手を伸ばした。
しかし、手から本は落ち、分厚かったからか、
あまりに静かすぎる空間だからか、
鈍い音がやけに大きく響いた。
私の伸ばした手は、彼によって
本棚に縫い付けられてしまった……指を絡めて。
後には本棚、
前にはこれでもかってくらい近づいている彼。
お互いの吐息がぶつかるような距離になった今、
ドクドクと音を立てる鼓動がうるさい。
「…俺本気やで？」
「目ぇそらさんと、ちゃんと“俺”を見てや」
「まあ、今はここで我慢したる」
「んわっ！」
「ふは、！
可愛くない声やな〜そういう所も大好きや。」
彼がいやらしくリップ音を奏でて、
キスを落とした場所は唇スレスレの端。
「ごめんな、怖かったかな？ほな俺もう行くわ」
頭をぽんぽんと叩いて、
見た目とは相反する柔軟剤の香りを残して、
出ていった彼に
なんで私は…寂しいなんて思ってるの？
「す、き？」
口にしてみたに文字は、
私にはあまりにも不慣れでなんだかくすぐったい。
けど、今すぐ伝えたくなった。
いつも私に伝えてくれた言葉を
今度は私から彼に伝えたくなった。
(やーっと振り向いてくれた。
ありがとう、ほんま大事にする)
(好きな人がいること、
好きな人と結ばれることって幸せすぎる)
．
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海羽(プロフ) - このシリーズのパスワードがかかって読めないです パスワード教えてくれませんか？ (2019年4月27日 10時) (
レス) id: 0e6b4f9a0c (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - ぼんぼんさん！リク答えて下さりありがとうございました(^^)今気付いて読みました！サイコーでしたっ！鼻の下伸ばしてる�陲舛磴鵑�目に浮かびました(笑)�陲舛磴鷁聴Δい�(/-\)素敵なお話書いて頂きありがとうございました(^^) (2018年12月23日 23時) (レス) id: 9b260c34a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぼんぼん。(プロフ) - ニコニコ天使ちゃんさん» ココ！久しぶり〜！返信遅くなってごめんね。わざわざ読んでくれてありがとう！ (2018年12月22日 11時) (レス) id: 9cf4a3891d (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ天使ちゃん - ぼん!!久しぶり!!光瑚だよ!!覚えてるかな?更新されてるの今気付いて全部読みました!!おもしろかったよ!!久々にぼんの作品読めてよかった!! (2018年11月25日 13時) (レス) id: 957c1204e3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼんぼん。(プロフ) - 青恋さん» 最初からですか！私の妄想にお付き合い頂きありがとうございました！きゅんを届けられたことも嬉しいのに一番だなんて……！これからもよろしくお願い致します！ (2018年10月20日 18時) (レス) id: a54c6f3007 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぼんぼん。
| 作成日時：2018年9月20日 20時
