WESTといろんな××

＊ ページ16

.



ゆっくりゆっくり校舎を歩き回る。


懐かしい教室や、逆に

一度も使ったことのない教室さえ愛おしく感じた。




思い出に浸っていると

後から聞こえてきた上履きで廊下を走る音。





重｢はあっ、ごめ…待たせたやんなっ｣



貴｢ううん。大丈夫だよ｣





｢ふと見たらAちゃん出ていくとこでさ？めち

ゃくちゃ焦ったわ｣なんて言いながら息を整える彼。





貴｢さっき言い忘れてたけどさ、

今日いつもと違うよね、髪の毛自分でやったの？｣



重｢えっ？あ、せやねん！

…変かな、オシャレって難しいわあ｣



貴｢……かっこいい、と思うよ｣



重｢〜っ！ありがとう、｣



重｢Aちゃんも。それ編み込んであんの？

とか…いつも以上に可愛い｣





言葉がまとってなくて、

どこかぎこちない喋り方をする重岡くん。

そんでもって頬を掻きながら俯きがちに話すから、

なんだかこちらも照れてくる。






重｢えと、そのな、｣





重｢俺、Aちゃんのことが好きです、

好きなんです｣



重｢1年の頃からずっと。

せやから…付き合ってくれませんか、？｣



貴｢嘘…私も、ずっと好きだった｣



重｢ふふ、“だった”なん？｣



貴｢あっ、ううん。今も好きです、｣



重｢嬉しいなぁ、夢みたいやっ｣



貴｢夢かもよ？｣



重｢意地悪やな、｣



貴｢でも…うん。本当に嬉しい｣







自然と近づいて重なり合った唇。


そんな二人に

暖かい春の風が幸せを運びながら吹いていた。




幸せに満ち溢れたふたりだけの時間。



このままずっと、ずっと、続いて。







(大学で浮気しちゃあかんよ？)


(そっちこそ！どうせモテモテなんだろうけどさ)


(嫉妬？可愛いな。大丈夫、俺、Aが

思ってるよりAのこと好きやから)






タピオカ様、ニコニコ天使ちゃん様リクエスト

“しげ、卒業式”


お二人のリクエストの共通点で書かせていただきましたので、少し違っちゃいましたが、お許し下さい


.

Toxic Love【K.A】→←春風【S.D】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す