君との時間(inar)短編集 (ページ9)

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有岡side

こっちでの仕事が一段落して

ホテルに着いた

俺は伊野ちゃんの声が聞きたくなってしまったので

電話をかけることにした

プルルルルル

プルルルルル

プルルルルル

有『あれ？寝てるのかな．．．．．』

伊『はっはい！！！』

有『寝てた？』

伊『いやニヤケてた』

有『ん？』

伊『大ちゃんからの電話嬉しくて』

有『ふふふ』

電話だけで喜んでくれるなんて

俺は嬉しいなー

それから

今日の仕事の話とかをしていたら

スマホから伊野ちゃん以外の声が聞こえて

伊『ちょっと待ってー』

有『どうしたの？』

伊『いやなんでもないよ！』

有『ん？』

伊『分かったから！待ってて！』

なんか向こうに人がいるみたいで

もうすぐ8時半
仕事は終わっているのは分かってるし

電話に出てくれるってことは家にいると思ってたんだけど

有『今家にいるんじゃないの？』

伊『うん！いるよ！』

有『え？』

伊『宅飲みみたいな？』

有『そうなの？ごめん！邪魔しちゃって！』

伊『いいって！』

伊『大ちゃんとお話できて嬉しいもん！』

有『でももうそろそろ待たせちゃってるし切ろっか』

伊『えーまだお喋りしたいよー』

有『でも相手を待たせるのは良くない！』

伊『うん．．．．．』

若干納得いってないみたいだけど
待たせるのは良くないからね

有『おやすみ！』

伊『おやすみなさーい』

そう
伊野ちゃんの作戦②は若干失敗していた
いや若干ではなくなんの意味もなかった

なんならだいちゃんとの電話の時間を短くしただけであり大失敗だ