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第9話 ページ9

幸「クスッ…Aは表情がコロコロ変わって面白いね」


あ「っもう!幸村くんが変なこというからでしょ!!大人をからかわないでください」


幸「クスクス、同い年だろ?そういえばA、絵は完成した?」


あ「うん、あと少し」


幸「じゃあ、俺がアドバイスするよ」


あ「でも・・・授業は・・・」


幸「全然構わないよ。って・・俺がAと一緒にいたい言い訳なんだけどね」


あ「〜!!あっ、ありがと!!じゃあお言葉に甘えてお願いします」




はい、と描きかけの絵を渡す



幸「・・・色盲とは思えないよ。すごくうまい」


そう言われて照れ隠しで笑ってみる




幸「この花の色は濃いピンクだけど・・・赤、どんどん水で薄めてみよう」



キャンパスに赤色が広がっていく


それを丁寧に水で薄めていった



幸「はい、これぐらいかな」



そういって渡された色は世にいう白と黒で構成された色でピンクがどういう色だか分からない


もう諦めているはずだった



だってもう足掻いても無駄だもん



私が悲しそうな表情をしてたのだろう


幸「ごめん・・・もしかして余計なお世話だったかな」



あ「ううん、違うの!・・・ただ、色が分からない毎日が当たり前になってたのに

  ずっとそのことを考えないようにしてたんだけど・・・やっぱり難しいね

  私は幸村くんが見ている風景を見てみたいよ」





幸「見ようよ。治らないって誰が決めたの?技術は日々進歩しているし、もしかしたら

  何かの拍子で治るかもしれないし。


  治ったらいろんな風景を見に行こう。」




それは色を失った私に魔法をかけるようなキラキラした約束



白黒だった世界に色をつけてくれるようで


凄く、すごく嬉しかった



幸「ねぇA知ってる?海ってとても綺麗な青で、太陽の光が反射して宝石みたいなんだよ

  そうだ、俺の好きな植物園にも行こうよ。花や植物がいっぱいあってその一つ一つが

  カラフルで楽しいんだよ」



幸「だからさA、そんな悲しい顔しないでよ」



あ「うん、ありがとう。絶対約束守ってね?」



幸「クスクス・・・うん、約束」



ねぇ幸村くん、私がその約束にどれほど救われたか分かる?



それだけで世界に希望が持てて前向きに生きていきたいと思えるんだよ


そんなこと言ったら大げさだよって笑われるかもしれないけど


本当に本当にそう思ったの




だって私の生きてきた人生は絶望しか見せてくれなかったんだから

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作品ジャンル:アニメ
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おらんじーな - 始め、貴「顔赤いな…」ってあったんですけどなんでわかったんですか? (2019年7月29日 23時) (レス) id: 4c000a6b7d (このIDを非表示/違反報告)
カツ丼(プロフ) - すごく感動しました。占ツクで泣いたのは初めてです。ありがとうございました (2017年8月25日 19時) (レス) id: e695164f48 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - すごく面白いです!!!!これからも頑張ってくださいね!更新頑張ってください! (2016年7月23日 8時) (レス) id: 3af424305f (このIDを非表示/違反報告)
柊 梓(プロフ) - すごく面白いです! (2016年6月4日 14時) (レス) id: e7eaeeffc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - これ読んだ後回り見渡して色がカラフルに見えることに感謝できました。 (2016年3月26日 21時) (レス) id: 5cb9d03f89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エレナ | 作成日時:2013年1月9日 23時

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