【A3!】綴の兄貴ちょうだい【茅ヶ崎至】 (ページ9)

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8_◎ ページ9

『あ、佐藤さん』

「はい？どうしましたか？」

『今来てる新作ゲームの脚本って締切いつだっけ？』

「確か２週間ほど先だったと思います。
間に合わなさそうですか？」

『いや、そうじゃない。
つづが入ってる劇団に１週間泊まろうと思って、いつがいいかなって思っただけだよ』

「なるほど。先生本当に弟さんと仲良いですね」

『当たり前でしょ』

まあ、面倒臭がられてる気もするけど。

「でも何で泊まりなんてするんですか？初めてですよね？」

『んー？
劇団の皆にさ、僕が綴った物語を魅せてほしくて』

「つまりは、脚本を書くということですか？」

『まあ、そうだね』

すると佐藤さんがすごい険悪な表情でこっちを見てくる。
あなた怒ると怖いからそんな顔しないでよ。

「先生、ひとつ聞きたいんですけど」

『なに？』

「その脚本って、無償で書く気ですか？」

『つづが所属してる劇団だから無償に決まってるでしょ』

「正気ですか…？」

『正気だけど…』

めちゃめちゃ怖い顔になっていく佐藤さん。

佐藤さん、その顔怖い…なんて言えない。