トリップしたら第二級特異点とかww…w……え、冗談だよね？

１６．迷宮"オリアクス" ページ16

？？？
『わたくしはオリアクス。幽艶(ゆうえん)と玲瓏(れいろう)を司り、音を操る第５９の精霊よ』

うわぁお。
声がちょー透き通ってる。

オリアクス
『わたくしの王にふさわしいのは誰……？』

サロス
『……おーおー、これまたずいぶんと猫被ってんなぁ？』

……ん？

オリアクス
『……サロス』

サロス
『それで？ お前の能力はなんだっけ？ 音なんてオレの嵐の前では霞むよなぁ？ ショボいよなぁ？』

オリアクス
『サロス』

サロス
『まあ、そんな落ち込むなって。主は優しいからなぁ、きっとそんなお前も受け入れてくれるさ』

あれ、なんか誉められた……？
……なんて喜んでる場合じゃない。

A
「っちょっとサロ――」

オリアクス
『……言わせておけばペラペラとぉぉぉ！』

……！！？

サロス
『お、案外猫の数少なかったな』

……！！？

オリアクス
『うるさぁぁぁい！ っていうかわたくしの能力をバカにすんなぁぁぁ！』

……！！！？？

サロス
『ははっ、やっぱりお前、そっちの方がいいぜ？サッパリしてて、オレは好きだぞ』

……ん、いきなり口説き始めた？

いやオリアクス、なんでほんのり頬を染めた？
さっきまでの勢いはどこ行った？？

まさかサロス、フォカロル並みのモテ男か？
しかも無自覚天然タラシか？？

いやいやでもでも、オリアクスの本性を引き出す方法が。

A
「(ﾎﾞｿｯ)不っ器用なんだよなー」

サロス
『あ？ なんか言ったか、主？』

A
「……いんや？ 聞き間違いじゃない？」

サロス
『ふぅん……？』

A
「……ソウイヤオリアクス、アナタノ能力ッテナンナノ？」

オリアクス
『？ 精神に語りかける能力だけど？』

A
「ん、ゼパルと一緒やん」

オリアクス
『やだ、あんなのと一緒にしないでよ。わたくしの方が特定の範囲にだけ語りかけられるし、音も美しいし』

……なるほど。

オリアクス
『あと、超音波も出せるし』

サロス
『ふはっ、それこそなにに使うんだよ』

オリアクス
『知らないし、そんなこと！ でも、ソロモン王は然るべきときに必要になるって言ってくださったもの！』

サロス
『……へえ？』

オリアクス
『とにかく！ わたくしの認める王はあなただからね、A』

オリアクスは、左耳のイヤーカフに宿った。

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