【M_S.S/P】片仮名ではアイと読む【短編集】

キス【F】 ページ9

F side

『ねぇ』

ちゅーしよ。



俺の彼女はキス魔だ。
酔った時はもちろん、ふたりきりの時は俺の顔色を見ながらせがんでくる。


正直恥ずかしくなるからやめて欲しい。というのが俺の気持ちだけど。



(…まぁ、嬉しいって気持ちもなくはない)



彼女にキスをせがまれて嬉しくない彼氏がいる訳ないだろ。
そんなの童貞くらいだ。

…


童貞でも嬉しいもんは嬉しいやい！！！



『ねえー、えふびー？』

甘く蜂蜜みたいに蕩けた声を出すAはもういつもの事で、はいはいとこれもいつものように遇う。


F｢いやいや、Aさん、今俺が何してるか見えてるよね？｣
『へんしゅう』
F｢見えてるなら諦めなさいよ！｣
『やだやだーー！！』


子供か！！！


そう突っ込むと、ムッと顔を明らかに顰めながらそっと布団の上に帰っていく。

ごめんね、後でちゃんと綺麗にしておくからさ。




F｢…A、｣
『なに』


明らかにいじけてる声してる。そうだよなぁ…ごめんな。


F｢…今は｣


ちぅ


F｢これで我慢、してね？｣
『…は』



そう言ったら離れなくなる温度は君の体温だって、分かってたんだけどなぁ。

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ラッキーカラー

あずきいろ

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