ルーシー【F】 ページ24
Fside
閉じた瞼の向こう側がチラリと光る。
するりと瞼を上げる。
『…あ、起きた』
おはようございます
とはにかむこの人は？
『はじめまして、ルーシー、とでもお呼びください』
英名…？
でも、機械的に答えた目の前の女性、ルーシーさんは明らかに日本人だ。
肌は病的な白さ。
それでも、頬は薄紅、微笑みを携えるその唇は林檎のように真っ赤。
髪は漆黒で肩の長さで綺麗に揃えられている。
身に纏うのは白のワンピースと藍色のカーディガン。
上だけ見たら日本人だし、儚く脆い印象を受けるがれっきとした人である。
しかし、今そう思わせないほど強く目を引く
F｢…その、眼は…｣
柔く細められた眼からは蒼く優しい幻想的な光が漏れていた。
『あぁ、どうぞお気になさらず』
気にしなくていいらしい。
…
暫くの沈黙
F｢あの…ここは、｣
『夢の、世界です。貴方の、FBさん。貴方の夢の世界ですよ』
そう言った声はやっぱり何処か機械的だった。
F｢え、俺は、帰れないんですかね？｣
『いいえ、帰ることも出来ますよ。夢から覚める、それだけです』
F｢…えぇ｣
『えぇ、じゃないですよFBさん、それは毎日貴方がやっている事じゃないですか』
F｢…じゃあ、夢から覚めたら貴女はどうなるんですか｣
…微笑みが固まり、して、動き。
『どうもなりませんが？貴方は目を覚ます。私は此処に居る。たったそれだけのことです』
…ならば
F｢じゃあ、起きますよ、起きれば分かるんでしょ？｣
とりあえず、自分のほっぺを抓ることから始めようかな
『…あぁ、そうですか。それでは、FBさん。良い、光を』
ばさり、
布団を勢いよく捲る音
なにか、不思議な夢を見ていた気がする。
F｢…確か、Aが出てきた…？あれ？誰だ、あれ｣
昔に別れた幼なじみの名前を呟く。しかしそれも思考の渦に溶かし込む。
外は永遠に夜
ここは宇宙船WAKASAGI
一人の宇宙飛行士は光のない宇宙で光の夢をみる
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
汀(プロフ) - 翠音さん» コメントありがとうございます！今回は前回までとは一味違ったものになるかと思いますので是非楽しくお読み頂けると幸いです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月16日 9時) (
レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
翠音(プロフ) - 汀さんのMSSP！！私が汀さんの作品と出会えたきっかけでもある方々…とても嬉しいです！！すでにアップされているものも読ませていただきました！とても好きです…。今回も愛読させていただきます！！ (2018年12月16日 7時) (レス) id: fe12b8e0a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：汀 | 作成日時：2018年12月11日 0時
