セパレイト【E】 ページ18
E side
手を
『はなさないでね』
そう、言ったのはいつか。
もう思い出せない。
あの言葉が俺を縛っていたのか、それともA自身を縛りつけていたのかは今では分からないが
『…』
E｢…｣
こんな重苦しい2人だけの部屋の中で
お互いに違う人間と向かい合っているのはもう必然で
E｢…｣
『…』
物理的な距離は近いのにもう心は何処か地平の果てにでも行ってしまったかのように思えてしまう。
E｢…｣
『…ぁ、』
そう、声を洩らしたAの画面がちらりと見えた。
やりとり
嬉しそうなA
もう、俺には見せてくれない表情
真っ暗な部屋でソレの嬉しそうな笑みだけが鮮明に映える
E｢…もう、行けば、そいつんとこ｣
『…そうする』
じゃあ、バイバイ
なんて放ったその口がその別の男と重ねられるのはもう時間の問題なんだろうなぁなんてあほらしい事を考える暇はあるらしい。
ばたりと告げた扉が、もう絶対にソレが俺のところへ戻ることは無いと、そう言っている。
E｢離すなって言ったのは、そっちだろうが｣
馬鹿野郎、なんて洩れた口の端はしょっぱいなにかで濡れた。
俺は、ソレの持っていた画面にみえた【あろま】の文字を、記憶から離した。
ラッキーカラー
あずきいろ
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汀(プロフ) - 翠音さん» コメントありがとうございます！今回は前回までとは一味違ったものになるかと思いますので是非楽しくお読み頂けると幸いです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月16日 9時) (
レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
翠音(プロフ) - 汀さんのMSSP！！私が汀さんの作品と出会えたきっかけでもある方々…とても嬉しいです！！すでにアップされているものも読ませていただきました！とても好きです…。今回も愛読させていただきます！！ (2018年12月16日 7時) (レス) id: fe12b8e0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汀 | 作成日時：2018年12月11日 0時
