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よにんめ【4-1】 ページ12

よにんめは無個性くん…?

you side

『…って、ことがあって、あれからズズだけめちゃくちゃお出かけしてます…』
「ふふふ、なかなかに仲良くなってるようで、良かったです」
『いや、笑い事じゃないですって…怖かったんですよ…ズズがいきなり居なくなるから…』
「でも、それだけ大事にしていると言うことですから。ねぇ?ズズくん」
3「おう、Aちゃんは色んなところに連れてってくれっからなぁ…楽しくてしょうがねぇわ」
『それならよかったです…』
「ふふ、まぁまぁ、Aさんもどうぞ、飲んでくださいよ」
『ありがとうございます…』



その後もズズはずっと店長と話していた。
せんたんとにどみんはあまり得意そうでは無かったけれど、ズズはそんなことはなさそうに話しているから彼らにも好き嫌いがやはりあるのか。




『あ…』

メダカの入った少し薄汚れた瓶が目に付いた。


こつり、と店長の近付いてくる音がしたので見ると、柔らかい雰囲気を纏った彼が隣に居た。

『店長、これは…?』
「それは、とりっぴぃの瓶詰めです。詰めたのは丁度一週間ほど前ですね。
一緒にメダカと水草が入っているので、日の当たる場所に置いてあげて下さいね。」


そう言って、その瓶の埃を少し払い、私に手渡した。


瓶を手に取ると、瓶の中でうつむいていたとりっぴぃが泣き腫らした目であなたを見上げた。



『貴方も、寂しいの…?』



そう話しかけると、コクリと頷いたように見えた。


3「んぁ、とりっぴぃじゃん!こんなとこにおったん!」

私の肩に乗ったズズがそう言うと、とりっぴぃ?くんの顔が少し驚きに変わり、明るくなった。

3「やっぱとりっぴぃじゃん!ねぇねぇ、Aちゃん、とりっぴぃのこと、引き取んねぇの?」

『ぅ…』
3「なぁ…とりっぴぃのこと助けてくんねぇの?」
『…わ、わかったから、もう、その目…やめて…』

3「とりっぴぃのこと引き取ってくれんの?!」
『…うん』

やった!良かったなぁ、とりっぴぃ!とか言いながらガラスを挟み、とりっぴぃくんに話しかけているズズ。



「…Aさん、子供に強請られる母親みたいでしたよ」
そう言いながら、店長は私にいつものペンと紙を渡してきた。
『…なんでか、ズズにだけは甘いんですよね…』
何となく昔を憶う。
ズズのような彼氏が居た気がするけど、何故か頭が痛くて、考えるのをやめた。




数十分後、いつも通り綺麗に包装された瓶を手渡された。





これが、私ととりの出会い。

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ラッキーカラー

あずきいろ


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(プロフ) - すぷらさん» こちらも沢山勉強させて頂きました…!!これからも更新楽しみにしています!!応援しています!! (2018年9月26日 22時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - !!見られていたなんて恥ずかしいです!!汀さんの文から勉強してもっと精進させていただきます!! (2018年9月26日 22時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すぷらさん» 返信が遅くなってしまいすみません!とても嬉しいお言葉をありがとうございます!実は私もこっそりすぷらさんの作品を拝見しており、モチベーションを保つひとつになっていました。本当にありがとうございました!!ぜひ次作もよろしくお願い致します!! (2018年9月26日 1時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - 【追記】 汀さんの作品の更新はもはや私の作品の更新のモチベーションになっていて違う方向でもとても力を貸していただきました(笑)ありがとうございます! (2018年9月24日 20時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - 完結、そして内定おめでとうこざいます。汀さんの作品はとっても素敵で大好きです。これからも汀さんの作品を読ませていただきます。お疲れ様でした。 (2018年9月24日 20時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年7月16日 20時

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