【短編集】瓶詰め彼らにこんにちは【m/z;m,n】

エピローグとしておわらない ページ44

また、彼女は戻ってきてしまった。


あの日に。

ペストマスクを被った彼女が、
自分の魔法で小さくした彼らを、
以前の彼女に渡す日に。



聞いている皆様はきっと何を言いたいのか、分からないだろう？


それもそのはず、この話は未来永劫終わらない。

では私は何者なのか。




私は何者でもなく、ただ此処に存在し続ける者。



読者、または観測者である皆様だけが私と関わりを持てるのだ。



彼女が過去に戻れば私も引き戻される。
ただし、記憶はそのままだけれどね。



…おっと、こんな話をしていたら、もう彼女が決断する時がやってきたようだよ。



…しかし、彼女が選ぶ道はひとつしかないんだよねぇ？


戻った彼女も物わかりの悪い人だよ全く。



まだ希望があると思っている、希望なんて無いのに。





まあ、また私は引き戻されるだろうね。

しょうがないさ、これが運命。


皆様が私の前に、また、現れることも運命なんだ。




また、現れてもきっと私は同じ話をする。

だけど、飽きずに聞いてくれ。



それが、皆様に、君たちに干渉できない可哀想な文字からのお願いだ。







さて、もう時間だ。

エピローグは終わらないよ、私を使っている創造主がこの結末に飽きて、別の道を書き加えない限りはね。




私は、ただ創造主に付き従わされるだけだ。




それじゃぁ、また。

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