かぜがつめたいですね【3】 ページ34
だから
3 side
風が冷たい、海に来た。
夏だからと油断した。
まさかこんなに寒くなるとは思いもしなかった。
空は生憎の曇天。
風もそこそこ強い。
かなりデートには向かないシチュエーションに俺の心も落ち込むばかり。
だけど、隣の彼女は目を輝かせている。
彼女、A曰く、
『海ね、子供の頃に1回だけ行ったっきりでね…私にとって海は話とかテレビでしか見られないものだったの…！！だからありがとう！！』
と俺の心が救われるレベルで喜んでくれたけれど。
綺麗な、暑い砂浜を2人でキャッキャと走り回りたかった俺はそりゃあ落ち込むわけで。
2人で生憎の空の下、砂浜を歩く。
サンダルを持ち、ゆっくりと歩く。
『今日は、ありがとね。ズーズー』
3｢…おぅ｣
『ふふ、天気が良くなかったからって不貞腐れないでよ』
3｢でも、綺麗な海、見せたかったわ｣
『…じゃあ、笑ってよ』
3｢はぁ？｣
『笑って？』
そう言って俺の頬を手で包み、覗き笑うA
3｢笑ったって、天気良くなるわけねぇだろ…｣
『んもー！！！いいから笑ってよ〜！！』
そう言って俺の頬をグ二グ二と弄りだすAは1ミリも怒ってなんていなくて。
3｢わ、わーかった！！わかったからやめろ！！｣
『ふふ、笑ってくれる？』
3｢…しゃあねえな｣
『やった』
そう言って突然走り出すAに俺は驚き追いかける。
と、いきなり立ち止まったから思わず抱きとめてしまった。
3｢ぇ、おま、急に止まんなよ！！…怪我、してねぇ？｣
『うん！！！してないよ！！』
3｢そっか、ならよかった…｣
ホッと溜息をつき緩む頬。
『笑ってくれたね』
3｢ん｣
『やっぱり、ズーズーは笑顔が一番だよ！！』
3｢なんだそれ｣
『えへ』
そう言ってにへりと笑う彼女を、どうしても抱き締めてあげたくて。
彼女の腰に腕をまわす。
と、それを待っていたかのように俺の腕の中に収まったA。
が、ぽつりと。
『ねぇズーズー、【かぜがつめたいですね】』
3｢…、じゃあ、こうしてるか｣
『うん』
気づけば空は綺麗に晴れて。
夕日が海の中に消えていく。
それを2人で砂浜に座りながら眺めていたから
『もう、寒くないね』
3｢おぅ、そうだな｣
『来年も、また来ようね』
3｢絶対、連れてきてやるからな｣
『えへへやったぁ、ズーズーやっさしぃー』
温もりだけ、感じて。
6月24日【あなたを抱き締めたいです】
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ズズさんぽくない(´･ω･)
ゆきがやみませんね【4】→←でも、たいようがないとかがやけません【2】
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汀(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます！！自分にも無理は無いよう頑張っていきたいと思いますので応援宜しくお願いします！頑張ります！！ (2018年7月17日 6時) (
レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - 長い間更新お疲れ様でした！完結おめでとうございます(^○^)新作も読ませて頂きました。頑張って下さい！ (2018年7月17日 6時) (レス) id: f4fb874013 (このIDを非表示/違反報告)
汀(プロフ) - すぷらさん» ありがとうございます！今後も無理のないように頑張りたいと思います！良ければこれからも応援よろしくお願いします！ (2018年7月13日 20時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - 完結おめでとうございます！もう貴方様の作品が生き甲斐になっておりました…次回作も楽しみにしていますが、あまり、無理の無いよう頑張って下さい！ (2018年7月13日 20時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)
汀(プロフ) - すぷらさん» ご心配おかけしてすみませんでした、もうかなり良くなりました！ありがとうございます！！どうかすぷら様もお風邪をお召しになりませんようお気を付け下さいね！ (2018年6月29日 23時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汀 | 作成日時：2018年5月12日 1時
