【実況者】彼と邦ロックを奏でたら【短編集】 (ページ22)

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じっくりと煮込みましょう【gr】ページ22

スープを作るように、私たちの愛もじっくりと煮込んでつくるの

you side

彼、グルちゃんの作ったスープを食べていた。そのときに
『恋とスープは同じね。』
そうポロッと口から出た言葉。
彼もよく通る低い声でそうだなって微笑んで。

野菜のたっぷり入ったコンソメスープ。
このスープにはグルちゃんの愛情もたっぷり入ってる。そう感じるの。

グルッペン side
『恋とスープは同じね。』
目の前で美味しそうにスープを食べていた愛しい彼女が微笑む。

彼女、Aは時々変わったことを言う。それは幼なじみの俺だけではなくメンバーも知ってる。

だけど、今日のそれは変わったこととは思えなくて。俺も
｢そうだな｣って優しく微笑み返すと彼女は嬉しそうに昔から変わらないかわいい笑顔で返す。

『歳をとっても、シワになっても、一緒にいようね。このスープみたいにじっくり煮込んでいこうね』

時間をかけて味になっていく、摩訶不思議で。
でもそれがクセになる。恋も同じかもしれない。

ふと息をつく。
やっぱりAの言うことは合ってる。

と思う。

(2人で味わい尽くしましょう)

藤原さくら｢soup｣より