★柳沢進太郎/ﾊﾞﾆﾗｽﾞ ページ34
目を覚ますと窓の外に白い雪が見えて
慌てて飛び起きてベランダに出た。
こんな都会に雪なんて珍しい。
降っても気に留めなかったのに
毎日君と過ごすようになってから、小さな発見がすごく嬉しい。
手がだんだん冷たくなっていくのも気付かずに、降り続ける雪を見つめていると
『進太郎さん、』
少し掠れ気味の可愛らしい声が開け放したガラス戸の向こうから聞こえてきた
「あ、A、おはよう。」
『おはようございます、寒いです、閉めてください。』
目を閉じたまま呟いてさっきより深めに毛布をかぶった君
「A、雪だよ、雪！」
『ゆき…？』
2、3回瞬きをしてから起き上がって、ぼーっとこっちを見つめてる
化粧が施されてない顔はまだ幼くて
数ヶ月前に染めた鉛丹色のインナーカラーは少しずつ色が抜けてきている
でもそれがいい、可愛らしくて仕方がないから。
『綺麗…』
「目覚めたら窓の外白いからびっくりしたよ。Aもおいで、」
『寒いから嫌です…』
なんて言いつつ、お気に入りのカーディガンを羽織って歩いてくる姿さえ愛おしい。
『進太郎さん、見て、息も白い』
「ほんとだ。」
はぁ、と2人で吐き出して
冬の訪問を改めて確認。
こうやって2人でのんびり過ごす朝も、結構好きなんだよ？
なのに君は隣で“寒い”を繰り返すから
『え、うわ、ちょ…』
思いっきり抱きしめてやる。
「どう？あったかい？」
『とっても、』
君と過ごす初めてのクリスマスはどうやらホワイトクリスマスになりそうだ。
「ところで、Aはいつになったら敬語やめるの？」
『いやです、恥ずかしいから…』
「まあ何したって可愛いからいいんだけどさ、」
『っ…！進太郎さんがそういうこと言うから…！』
腕の中で暴れるAをしっかり包み込んで
甘い匂いを目一杯吸い込む。
雲の隙間から太陽が顔を出したのに、依然として雪は降ったまま。
「そろそろ朝ごはん作るか、」
クリスマスはどこに行く？
プレゼントは何が欲しい？
いっぱい好きって言ってくれる？
照れくさいけどさ、Aにゾッコンなんだって、分かってくれよ
『進太郎、』
「え、え、なに、」
先に部屋に戻ったAが俺を呼ぶ
不意の呼び捨てはダメだろ、
『すき。』
ふふふ、と笑ってキッチンへ向かうA。
火照った体を覚ますために、もう少し雪に振られてようかな。
ーFINー
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うゆ(プロフ) - ちゃむさん» めっっっっちゃ良かったです！本当に本当にありがとうございました!! (2020年2月19日 17時) (
レス) id: 43083d7d53 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - うゆさん» 返信が遅くなり申し訳ないです（ ; ; ）。かしこまりました！魂込めて書かせて頂きます！！完成までもう少しお待ち下さいね◎ (2019年12月30日 22時) (レス) id: fdaa8ef46f (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - ちゃむさん» ありがとうございます!!康平さんと付き合ってもう4、5年くらい経つっていう設定で、あとはおまかせします！ゆっくりで大丈夫なので、よろしくお願い致します。 (2019年12月28日 1時) (レス) id: 43083d7d53 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - うゆさん» はじめまして！ありがとうございます！！楽しんでいただけてとても嬉しいです！！康平さんのお話ですね、かしこまりました！ご希望の設定やシチュエーションなどございましたらコメントくださいね(*´-`)今後ともよろしくお願いします！ (2019年12月27日 16時) (レス) id: fdaa8ef46f (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！康平さんのお話ほんとにキュンキュンしちゃいました(笑)最高です！！康平さんのお話、また読みたいので、もしできたらでいいんですけど、かいてもらうことできますか？？？ (2019年12月26日 0時) (レス) id: 43083d7d53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2018年10月16日 23時
