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毎晩オンボロ寮から響く、ふたつの小さな声。
それから、それに返事をするかのような風の音。
「わたし、今日もまた調子乗っちゃったよ……」
ひとつは弱々しく、涙の乗った掠れ声。
「オレ様はいたから知ってるんだゾ」
ひとつは呆れたような、労わるような優しい声。
びゅう、と風が吹く。
会話を聞くと、どうやら恋路の相談のようで。
「やっぱりわたし、魅力ないのかなあ……？」
「そんな事はないんだゾ」
静かにつぶやく
「子分が抱きつく時の言い訳でアイツのことを兄貴みたいって言うから、あっちも意識してないだけだゾ」
半目でごもっともな言葉を突きつけるグリム。
びゅう
また強い風が吹く。
「だって…そうでも言わなきゃ抱き着く機会なんて、っ！？」
がたん
監督生たちの部屋の外で大きな音がした。
誰かが壁に頭をぶつけたかのような音。
大袈裟に肩を揺らしたAは恐る恐る窓を開ける。
『ふっひひ、盗み聞きとは趣味が悪いねぇ』
『嫌なやつだねぇ』
『よかったじゃないかA、グリ坊も』
そよそよと、いや、ふよふよと浮かぶゴーストたち。
その視線の先にはしゃがみこんでいる緑色の頭。
ゴーストの声に慌てて立ち上がる真っ赤な顔の
「わ、るい、盗み聞きなんてそんなつもりじゃ」
「……ぃ…の」
「え？」
「なんでいるの…！？わたし、そんな、なんで、ぃゃ」
恥ずかしさがカンストしたらしいAの目から大粒の涙が流れ出す。
ぎょっとした顔になるトレイ。
そそくさと手に持っていた白い箱をグリムに手渡すと、少しだけ迷いながらも、その手でAを優しく−それは優しく抱き締めた。
「…せんぱいのばか、きらい、なんでいるの」
「っ、嫌いはちょっと…せっかく両思いだってわかったんだから余韻に浸らせてくれないか」
「やだ、うそつき、きらい…優しくしないで」
トレイの胸に顔を押し付けながら囁くA。
「嘘な訳ない、……俺がどれだけ我慢してたか知らないだろう？」
頭をふわりと撫でながら、呟くトレイに顔を上げる。
「………やっと、抱き締め返せた」
今まで見た事のない、満足気な安心しきった表情に心臓が跳ねる。
「すき、です」
「あぁ、俺も好きだぞ」
翌日、ハーツラビュル寮を巻き込んでのパーティ
いや、『2人が付き合った日』があることを、2人はまだ知らない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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鬱くん - エ“ーズｳ・・・・・おま…お前ｴ”ッいい子になったなｱｱｱｱｱｱｱ！！！ (2020年10月25日 13時) (
レス) id: 9aa9cc12ba (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 好きなポケモンは何ですか?私はイーブイとワンパチとユキメノコとヒトモシとピカチュウです。 (2020年10月10日 7時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めり | 作成日時：2020年7月9日 17時
