受難リコレクション ページ41
◆
『貴方はなんて駄目な子なの！？』
――ごめん、ごめんね母さん。
『お前なんか生まれなければ良かったのに！』
――そうだよね父さん、僕なんかが生まれてごめん。
――もう、十年くらい前に言われた言葉だろうか。普通なら、記憶なんて無いはずなのに。
――これだけの時間が経ってるのに、どうして貴方たちは僕の中から消えてくれないの？
『あそこのご夫婦、亡くなったんですって』
『え！？でも、あの家には小さな男の子がいたでしょう？その子はどうなるのかしら』
『さぁ……でも、虐待を受けてたらしいのよ。まだ六歳なのに、可哀想にねぇ』
――あぁ、そうだよ。父さんも母さんも死んだんだ。
――今さら何を怯える事があるんだろう。僕は僕らしく、堂々としていればいい。
『……取り憑かれてしまっているのですね』
――やめてよ、学園長。僕は普通だよ。
――僕は正しいんだ。可哀想じゃない。同情されるような事なんて何もしてないよ。
――……だって、そんな事したら、また父さんに蹴られる。母さんに叩かれちゃうんだよ。
『サクラ君、貴方は自由に生きるべきです。何者にも囚われず、貴方の思うように行動する。ライアーグラッド寮でなら、”自由“がどんなものか、よく学べると思いますよ』
―――違う。違うんだ、学園長。
――僕が来たかったのは、こんな所じゃない。もっと、正しくて、誰にも怒られない、正しい所だったのに。
――こんな、問題児ばっかりの……昔の僕を、思い出すような場所じゃない……。
『やぁ！！Youが今年の新入生クンかな！？』
――差し出された、大きな手にびっくりした。
『……僕……いや、お、俺？』
『そう、Youだ！！入学式で一目見た時から、面白そうな子だと思ってたんだ！！』
『お、面白そう……！？俺が？』
『ああ！！今、話してみて確信した。お前は将来きっと凄い人物になるぞ！！俺の長年の勘が言っている！！』
――騒がしくて、問題児の代表格みたいな奴だった。
――当てつけのように必死に努力して……寮長にまで指名されたけど。
――上手くいかない。
――これじゃ父さん達に怒られる。こいつらが、俺の言う事を聞かない愚図だから。
――嫌だ。こんな寮、こんなお気楽な奴ら、俺の気持ちも知らないで。
――あぁ鬱陶しい。全部、全部、俺が正さないと。叱られるのはもう嫌だ――
「――痛いのはもう嫌なんだ！！」
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リリコス(プロフ) - おぉ!! (2020年8月10日 23時) (
レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - リリコスさん» はい！ケレイブさんを筆頭に、ユキさん、ショウさん、スフェノスさん、ジエルさんから成る喧嘩グループが存在する、という事になりますね！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
リリコス(プロフ) - 割り込み失礼するですが、ということは喧嘩グループの存在が実在になると言うことでしょうか！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - アイコンさん» 了解しました！素敵なグループ名をありがとうございます(*´ `) (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
アイコン(プロフ) - Violent sinners バイアラント･シナーズ 暴力の罪人達 です！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 215c5317bc (このIDを非表示/違反報告)
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