�� ページ40
◆
『なっ！？ジエル……！？』
サクラの動きが一瞬止まった。ジエルが何をしたのか、すぐに理解して彼は叫ぶ。『蛇を横取りする気か！？』と。
「は、横取り？あの蛇を作ってるツタは、元々ジエルが召喚したヤツだろ。横取りしたのはどっちだよ」
シュンの挑発も、サクラの耳には入らない。ジエルのユニーク魔法を使うという事は……つまり。
『……やめろ、ジエル。命令だ！！』
ジエルは蛇に両手を添え、視線を真っ直ぐ合わせてみせた。
「蛇よ、主人は俺だ。お前を操れるのは俺であって、サクラじゃない。そうだろう？」
途端に、あれほど三人を攻撃していた蛇が、ジエルの足元に大人しくひざまずくような素振りを見せたのだ。
蛇は
「これで敵はサクラだけだ！！」
『……っ！！』
シュンが連続して放った魔法を、怒り心頭にサクラがなぎ払う。
その背後から、ノアが飛びついた。
『やめろ……やめろ。やめろやめろやめろ……』
「サクラさんの身体が崩れかけてる……っ、これって危なくないですか！？」
コートの裾が、砂の如くパラパラと崩れ始めていた。サクラ自身にも限界が来ているのか、その表情も徐々に虚ろに変わっていっている。
「あっちだ！！」
張り上げられたジエルの声に従い、ツタの蛇は勢いよくサクラ目がけて突っ込んでいく。
『……』
「サクラさん！！」
ノアがぐい、とサクラを後ろに引っ張った。
二人の身体は宙に浮いたままぐらりと揺らぎ、サクラの鼻先をかすめた蛇は、そのままサクラの背後の鏡に飛び込んでいった。
鏡が、激しく砕け散る音が辺りに響いた。
『……っ！？』
心臓を押さえ、苦しげに呻く。呼吸がどんどん苦しくなっていく。割れた鏡からとめどなく溢れ出る黒い霧が、サクラを取り囲み、息を出来なくさせた。
「サクラ！！」
ジエルの声が、霧の向こうから聞こえる。こんな時でも馬鹿デカい声だなと、サクラは笑いたくなった。何だか、人が死ぬ間際のような、諦めのつく気分だ。
「――！！」
最後に叫んだのが誰なのか分からないまま、サクラは黒い霧に溶けるように意識を手放した。
◇
――夢の中で、いつも貴方は俺を叱った。
『どうしてこんな事も出来ないの！？』
――どうして今さら、貴方の声が聞こえるんだろう。
――あぁ、そうか。
――ここは、きっと夢の中だ。
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リリコス(プロフ) - おぉ!! (2020年8月10日 23時) (
レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - リリコスさん» はい！ケレイブさんを筆頭に、ユキさん、ショウさん、スフェノスさん、ジエルさんから成る喧嘩グループが存在する、という事になりますね！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
リリコス(プロフ) - 割り込み失礼するですが、ということは喧嘩グループの存在が実在になると言うことでしょうか！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - アイコンさん» 了解しました！素敵なグループ名をありがとうございます(*´ `) (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
アイコン(プロフ) - Violent sinners バイアラント･シナーズ 暴力の罪人達 です！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 215c5317bc (このIDを非表示/違反報告)
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