�� ページ37
◇
『ジエル……お前まで！！』
無数のツタに動きを封じられ、ギリギリと歯を噛み締めて振り払おうとするサクラを、ジエルは複雑そうに見つめている。
「お前までって、ジエルを裏切ったのは……！！」
「待つんだシュン、これ以上刺激するわけにはいかないだろう！早く終わらせるぞ」
いつになく真剣な表情で、ジエルがマジカルペンを振るった。
『ぐっ……！！』
仮面の向こうの顔が歪む。この隙に攻撃しようとシュンもマジカルペンを振り上げたが、魔法が放たれるより先に、サクラの両手が大きく動いた。
『こんなの許されるわけない！！俺が、俺は絶対に間違ってなんかなかったんだっ！！お前らさえいなければ……何もかも上手くいくはずだったのに！！』
腕に絡みついていたツタが一斉に解かれ、反動でジエルの身体が傾いた。
「ジエル！！」と叫び声を上げるシュンの目の前で、ツタは蛇のように束ねられ、真っ直ぐにジエルに向かって飛び込んでくる。
『貴様が！！貴様らがいなければ！！』
「ジエ――」
「ジエルさん！！」
ノアが勢いよくジエルの上に折り重なり、すんでの所でツタの蛇を避わした。安堵する暇も与えられず、通り過ぎた蛇は再び牙を剥いて、倒れた二人に迫ってくる。
「逃げろ！！」
シュンが放った水魔法はツタに吸収され、蛇をさらに大きくしただけだった。空から降り注ぐ雨が滝のように蛇の身体を叩き、どんどん力を強くさせている。
「クソッ……雨よ！止まれ！！」
叫んだ途端、干上がった大地に戻ったはいいが、すでにツタの蛇は水魔法から多くの力を得ている。
『いいぞ、嘘つきの蛇よ。全てを喰らい尽くしてしまえ！！』
「ノア！ジエル！！」
シュンが声を出したのとほぼ同時に、蛇が二人の真後ろに迫った。
危ない――二人を助けようとしたシュンの背後にも、凄まじい熱気が迫る。
「っ！？火属性だ……！！」
水魔法で咄嗟に避わし、距離を取りながらシュンは苦悩する。
雨がやんでしまえば、サクラの得意な火属性を使われる。かと言って、雨を降らせれば……。
「シュン！！まともにやり合ってる時間は無いぞ！！」
ジエルの声が響いた。見れば、二人をめがけて襲いかかってくるツタの蛇に、彼は新たなツタの群れを召喚して応戦している。
その最中もサクラから飛ばされる魔法を、背後でノアが何とか防いでいた。見るからにギリギリの状態だ。
「まずい……一体どうすればいいんだ……どうすれば……！？」
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リリコス(プロフ) - おぉ!! (2020年8月10日 23時) (
レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - リリコスさん» はい！ケレイブさんを筆頭に、ユキさん、ショウさん、スフェノスさん、ジエルさんから成る喧嘩グループが存在する、という事になりますね！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
リリコス(プロフ) - 割り込み失礼するですが、ということは喧嘩グループの存在が実在になると言うことでしょうか！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - アイコンさん» 了解しました！素敵なグループ名をありがとうございます(*´ `) (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
アイコン(プロフ) - Violent sinners バイアラント･シナーズ 暴力の罪人達 です！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 215c5317bc (このIDを非表示/違反報告)
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