�� ページ31
◇
「話だって？貴様に話す事なんか何も……」
「お邪魔します！」
いつにも増して強引に、ノアがサクラの部屋に飛び込んでくる。両手で大切そうにカメラを抱きかかえたまま。
「……そのカメラは？」
「コレですか？ボク、写真に興味があって。昨晩、他寮の人が貸してくれたんです！」
自慢げに掲げられたそのカメラは、何だか奇妙な形をしていた。
サクラには見覚えがある。もちろん一度見たら忘れない、黄緑と紫をした不思議なカメラだなんて。
「……待て、俺はそのカメラを見た事がある。学園内に仕掛けられている監視カメラだろう？」
精霊たちの目の届かないところで、生徒らを見守る魔法の監視カメラ。
仕掛けられている場所を知っているのは、生徒の中では各寮の寮長と副寮長のみである。
ノアのような一般生徒は触れる事も出来なければ、存在も知らないはずなのに。
「どうして貴様がそんなものを持ってる？」
「え？ですから、借りたんです。親切なチャイナロンプ寮生さんに」
ピントのズレた答えを返して、ノアはカメラを操作し始めた。
「実は、情報の提供に来たんです。……眠りネズミ事件の犯人が分かりました」
「……ちょっと待て。まさかお前……」
ノアが、カメラの画面を素早くサクラの眼前に突き出した。
そこには、サバゲー同好会の一年生の姿が映っている。
サバイバル用の拳銃を抱えて森の中を走り抜けていく青年。その後を追うように、もう一人、森の中にゆっくりと姿を現した者がいた。
その人物は木陰に隠れて一年生をじっと観察し、マジカルペンをひと振りした。
『うわっ……』
いきなり風が吹きつけ、一年生は思わずよろける。数歩下がった先には、黒々とした口を開ける深い崖があった。
木陰にいた青年が、マジカルペンをもう一度、振り下ろした。
『……！？』
一年生の身体がふらりと傾く。力を失った身体が、投げ出されるように崖下へと向かっていく。
『危ない！！』
それに気づいた後続の生徒たちが声を上げる。部員や顧問の駆け寄ってくる足音が響いた。
木陰に潜んでいた青年は、崖を見やって小さく笑うと、静かにその場を立ち去っていった。
「――これって、サクラさんですよね？」
映像が終わり、画面の暗くなったカメラを再びいじりながらノアが訊ねてくる。その視線はカメラに向けられていたが、サクラは信じられない、という表情をノアに向けた。
「……何でそのカメラがここにある！？」
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リリコス(プロフ) - おぉ!! (2020年8月10日 23時) (
レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - リリコスさん» はい！ケレイブさんを筆頭に、ユキさん、ショウさん、スフェノスさん、ジエルさんから成る喧嘩グループが存在する、という事になりますね！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
リリコス(プロフ) - 割り込み失礼するですが、ということは喧嘩グループの存在が実在になると言うことでしょうか！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - アイコンさん» 了解しました！素敵なグループ名をありがとうございます(*´ `) (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
アイコン(プロフ) - Violent sinners バイアラント･シナーズ 暴力の罪人達 です！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 215c5317bc (このIDを非表示/違反報告)
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