会合アゲイン！ ページ11
◆
「はぁ……」
思ったより大きなため息をついてしまった。
シュンは辺りを確認してみる。静かな廊下には自分以外、誰もいない。
普段は多くの生徒で溢れかえっているのだが……良くない事件とやらも起きているそうだし、授業が無くなった今、下手に出歩く生徒もいないのだろう。
「……今日は晴れ、か」
食堂を出て、シュンはあてもなく歩いていた。
雨なら図書室に行って、いつものあの人と話をする事も出来たのだが。いっそ雨を降らせてしまおうか。でも――。
「……魔法を使うって気分じゃねぇな」
シュンの外見がどうだ服装がどうだと、浴びせられた言葉が、思ったより尾を引いている。
どうも気持ちが優れない。イライラというか、モヤモヤするのだ。それこそ雨が降る直前の曇り空のように。
「はぁ……バッカみてぇ」
色素の薄い髪も真っ赤な瞳も、好きで手に入れたものではないのに。何故アイツらはあぁも他人を罵りたがるのか。
同じ寮である事が不快でならない。
そもそもシュンの悩みの種は、自分がライアーグラッド寮に選ばれた事だし。っていうか、ジエルが言ってた“事件”って一体何なんだ……。
シュンの思考すらも良くない方向に働き始めた時、ふと視界の端に映り込んだものがあった。
「……ん？」
違和感を覚えたシュンは足を止める。
茶色くて、小さくて、すばしっこいもの……否、人物だ。シュンより明らかに小さい、茶色な頭がすれ違っていった。
「……あれ」
何だろう、何か引っかかる。そうだ、入学式の日に思ったことがあった。“アイツ”はこの学園に来ていないのかと。ちらりと見かけた気がしたが、寮が違うから話す機会もなかった。それが。
「……ノア？」
ゆっくりと振り返る。同じように廊下の先から自分を見返している少年と、バッチリ目が合った。
「シュンくん……！？」
途端に発される弾んだ声と、喜びがパアァァっと広がっていくかのような笑顔。
シュンから離れた所まで通り過ぎていたノアは、すぐさまシュンに向かって駆け寄ってくる。
「あのっ！！シュンくんですよね！？」
「あ、ああ……だけど、そんなに走ると……」
瞬間、ノアは思いきり靴紐を踏んづけて地面に伏した。
ビターン！！と、明らかに痛そうな音が廊下に響く。
「……すぐ転ぶ所は治ってねぇんだな」
呆れつつもシュンはノアに歩み寄った。転んだままのノアに、ぎこちないながらも「大丈夫か」と声をかける。
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リリコス(プロフ) - おぉ!! (2020年8月10日 23時) (
レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - リリコスさん» はい！ケレイブさんを筆頭に、ユキさん、ショウさん、スフェノスさん、ジエルさんから成る喧嘩グループが存在する、という事になりますね！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
リリコス(プロフ) - 割り込み失礼するですが、ということは喧嘩グループの存在が実在になると言うことでしょうか！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - アイコンさん» 了解しました！素敵なグループ名をありがとうございます(*´ `) (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
アイコン(プロフ) - Violent sinners バイアラント･シナーズ 暴力の罪人達 です！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 215c5317bc (このIDを非表示/違反報告)
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