入学ステューデント！ ページ2
◇
聖アヴォン学園の入学式は、ついさっき終わったばかりであった。
「分かってはいたけど、人がいっぱいだなぁ……」
新入生のノア･クレバーは、辺りをキョロキョロと見回す。
会いたかった人とは別の寮に配属されてしまった。
もちろん、自分が入ることになった寮は良い所だろうし、いずれ話す機会はあると思うけど――。
ドン、と後ろから誰かにぶつかられた。
「あっ、ごめんなさい！」
咄嗟に謝ると、はるか頭上から睨んでくる真っ赤な瞳と、背筋が凍るような低音。
「……あ？」
ノアは思わず「すみませんでした！！」と後退しようとして、足をもつれさせる。
「ふぇっ！？」
びたーん！！と派手にすっ転んだノアに、広間にいた全員が静まり返った。
またやっちゃった……と思いながら、慌てて立ち上がろうとした、その時。
「――大丈夫ですか？」
ストンと心に落ちてくるような、澄み渡った声とともに、目の前にスッと手が差し出された。
「え？」
ノアが顔を上げると、にっこりと微笑む青年と目が合う。
同じ赤色でも優しい雰囲気の漂う瞳に、ノアは心が惹き付けられるような感覚に陥った。
「お怪我はありませんか？ほら、どうぞ立って」
「あ、ありがとうございます……！」
恐る恐る手を握ると、優しく引き起こしてくれた。
もう一度お礼を言おうとして、ノアは彼の着ている制服が、自分が入る寮のものだと気づく。
「えー、新入生は各寮の寮長についていくように！」
教頭先生が、やたらとハキハキした声を上げた。
「そういうわけなので、行きましょうか」
「はっ、はい……！！」
アンヴェルヴェット寮の列に入る直前、ノアはもう一度だけ幼なじみの姿を確認する。
一際目立つ白髪の少年は、こちらには気づいていないらしかった。
◆
「……改めて、僕はアンヴェルヴェット寮長、三年生のロディ･メサイアです。よろしくお願い致しますね」
柔らかく微笑んでそう言う彼からは、カリスマ性とでも言うのだろうか、新入生達の目を引く何かが感じられた。
「こちらは副寮長の、アリア君です。アリア君、ご挨拶を」
「
隣に控えている白髪の青年が礼をする。
(この人達がアンヴェルヴェット寮の……)
信仰、道徳観、清き心を重んじるこの寮に選別されたことを、ノアは嬉しく思っていた。
この後まもなく、とある事件が学園を襲うとも知らずに――。
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リリコス(プロフ) - おぉ!! (2020年8月10日 23時) (
レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - リリコスさん» はい！ケレイブさんを筆頭に、ユキさん、ショウさん、スフェノスさん、ジエルさんから成る喧嘩グループが存在する、という事になりますね！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
リリコス(プロフ) - 割り込み失礼するですが、ということは喧嘩グループの存在が実在になると言うことでしょうか！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: d250400d1f (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - アイコンさん» 了解しました！素敵なグループ名をありがとうございます(*´ `) (2020年8月10日 23時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
アイコン(プロフ) - Violent sinners バイアラント･シナーズ 暴力の罪人達 です！ (2020年8月10日 23時) (レス) id: 215c5317bc (このIDを非表示/違反報告)
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