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◆01.午後6時34分の衝撃/朝重秋津 ページ4

──黄昏時。
 茜色に染まり行く世界は、どうにも人の不安を駆り立てる。そして、不信感を煽っていく。
 この世界の黄昏は、人生たった18年程度しか生きていない私でも好ましい物でない事を知っている。勿論、治安的な意味も込められているが、この衰退し切った世界には、その茜色はどうにも人の闇を闇を見ているようで怖いのだ。
 かく言う私も、地平線から見える僅かな光を見てそう思っている。

***

 今日は忘れっぽい一日だった。
 家から出れば弁当を忘れ、授業に出れば全教科のノートがない事に気付く。
 それだけならまだしも、放課後、帰り支度する私にクラスメイトの男子は「お前、今日日直だぞ」と報告してきた。流石に怒りたくなったが、放課後までその男子が日直を代行してくれていたらしいので、軽く謝罪をし、受け取った日誌を埋める。
 極め付けに、母から「今日当番でしょ? 夕飯はどうするの?」と言うメールを受け取り、今日が当番である事を思い出した。一生の不覚。まさか防衛局の当番ですら忘れていたなんて、我ながら抜けていると思う。
 そんな一日も、後6時間余りで終わる。その前に4時間程勤務しなければならないが。

 午後6時31分。
 防衛局直通の電車に扉が閉まる直前に乗り込む。所謂、駆け込み乗車だ。
 夕日に照らされる車内は防衛局直通の為かガラ空きで、まるで私が貸し切っている様で少しワクワクしてしまう。
 誰も居ない車内で寛ぎながら、今日の仕事内容を思い出していく。
(今日は警備だけの筈……思えば、最近これと言った事件は起きていないや)
 その途中、ふとそんな事を思った。

 此処一ヶ月程だろうか? 我らが住まうこの旧日本国は、何事も無く平和な時を過ごして居た。
 前回のラグナロクが3月の初旬。そこからレイドロイドの侵攻がパタリと止んでいるのだ。
 まぁ、平和に越した事はないけど。

「……あれ、何だろう?」

 窓の外から見える景色。
 茜色の街に、地平線に沈む太陽。
 ──そして、電車と並走する飛行物体。

「!!?」

 目の前に閃光が走ると、電車の進行方向から轟音が鳴り響く。揺れる車両で、私の身体は無慈悲にも床に叩きつけられた。
 痛む身体を無理矢理起こして車両前方を見れば、一両目と二両目の車両が宙を舞い、線路はぐにゃりとU字に曲げられていた。

 午後6時34分29秒の衝撃。
 四肢が冷えていくのが分かる。
 私の眼前、鉄板を裂く音と共に現れたのは鈍い赤い光を放つレイドロイドだった。

◆02.平穏な日常の終焉/梁瀬雅→←◆Prologue



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七夜(プロフ) - 更新完了しました (2018年5月5日 16時) (レス) id: 468c1cc159 (このIDを非表示/違反報告)
七夜(プロフ) - 更新しますね (2018年5月5日 16時) (レス) id: 468c1cc159 (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - すみません、書き込むの忘れてました。編集終了しました。 (2018年5月4日 16時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 編集します。 (2018年5月4日 2時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 更新終わりました。 (2018年4月21日 19時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十二月三十一日 x他9人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年4月5日 22時

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