右腕の娘【ONEPIECE】 (ページ22)

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悲劇を生む悪魔の実ページ22

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夕飯の騒がしさは日が沈むように、消えつつある。

メアは日中のティーチの声を忘れない。寧ろ、鮮明にあの言葉が脳裏に焼き付いている。

生物の発する心の声を聞く超常的な能力があると言う。
悟ような能力は幼少の頃から時より現れる。

涼しい雰囲気を醸し出しているメアだが、内心面は不安定で混乱している。

エスパー何て考えてる余裕はない。

白ひげの船で裏切り行為を冒す人間が居るいたとは考えた事もなかったからだ。

それがティーチだ。
それほど迄に親しくはない。時より会釈をする程度の関係。

メアは自分の信念と勘に従って生きてきた。

すがるものがない狩られる立場を歩むなかで、野生の勘は研ぎ澄まされていく。

よく当たる勘だが、ヒットは運の悪い時だ。

あの男一体何をするつもりだ。

「ここに居たのか、メア」

相棒のあか抜けたひだまりのような声にメアは振り返る。

骨付き肉片手に肉を頬張っており、リスを連想させた。

実質、メアは誰にも相談していない。

抱え込みやすい気質と誤解を考慮しているのだ。

加えれば、ヤミヤミの実とティーチの恐ろしさを知らない無知故だった。

集団行動集団意識に慣れを感じさせるが彼女は犬ではなく猫だ。単独行動が得意。
一方でエースは単独行動や隠密行動には向かない。派手な闘いに身を投じる成分。

「晩飯、どうだった？」

エースは首を傾げる。

肉で旨ければ問題はない。彼にとっては。

「うまかったぜ？」

味覚センスがない男は奥さんががっかりするものだ。

おいしい、ウマイ、最高などと言われてもそれから先がないので、美味なのはいいが今一な反応ではある。

「そう…」

そう言えば、メアの見据えていた眼前には既にティーチは居なかった。

残されていたのは何枚か残ったチェリーパイと皿。

メアの元を離れ、皿を洗っていたサッチの姿もない。

してやられたとメアは下唇を噛んだ。

曖昧なピリオドを打ち、メアは食堂を飛び出し走る。

そんな相棒をエースは追い掛けた。