会話ままならぬ ページ11
.
昨日あんな事があったからか、メアは気まずい気持ちで食堂に入った。すると、やけに今日は騒がしく、メアはそこらに居た船員に訳を聞いた。
「上陸？この前、したばかりなのに？」
「はい。親父、あの後、回復の祝いだとかいって酒全部飲んじまいまして」
これに関してはメアも苦笑いを浮かべ、ありがとうと軽く言う。
ナースから禁酒だの散々言われている筈だが、一才聞こうとしない。
だが、暫くはエースと行動しなくてもいいとメアは胸を撫で下ろす。
キッチンカウンターに置かれて居た主食のドーナツを平らげ、一個くわえながらメアは甲板に出た。
「メア」
不意打ちの声にびくりと声を震わせ、
振り返る。
「何ですか？父さん」
メアは白ひげの事を「親父」ではなく、「父さん」と呼んでいる。本当の父親ではないが、父親のような威厳と優しさに本当の父親と比べてみれば、白ひげが本当の父親だったらとメアは思う。
朝にも関わらず、白ひげは酒を呑んでいた。
メアはドーナツを食べきる。
「今日は上陸だ。息子達を頼む」
要するにこういう事だ。
上陸
この前は長く居られなかったので、男達が女と遊びたい。けれど遊びすぎない様に見張れ。
「マルコやイゾウでは駄目ですか？」
「グラララ…あいつらは女一人で楽しむ、大人のやり方よォ」
ブラブラと歩いてるつもりだったけど、カウンターで呑んでればいいか。
エースも女遊びには興味ないだろう。
「分かった」
大きな手が向かって来て、ワシャワシャとボブカットを撫で回した。
「悩み事はさっさと、やっつけちまうもんだな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神原瑞希 | 作成日時：2017年11月14日 18時
