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涙を拭って中を覗く。押入れの隅に、自分でしまった記憶のないなにかを見つけた。




「…………A?」




ゆっくりと手を伸ばす。震える指先がそれに触れた。





柔らかい毛。

毎日撫でた、僕の好きなAの毛。






「やっと見つけた。A、起きて?お腹すいたでしょ?」





いつもみたいに僕の指を舐めることもなければ、嫌がって身をよじることもない。僕の声に答えてもくれない。

溢れる涙もそのまま、Aを引き寄せて抱きしめる。いつもの温もりは感じられなくて、ぐったりとしていて。




でも、確かにAだった。






「ごめん……昨日、いっぱい構ってやればよかった。何もできなくて、ごめんね」





ときどき息が詰まるけど、謝らずにはいられない。




僕がもっと頼れる飼い主だったら。

君の苦しさに気づいてあげられていたら。





ずっと黙っていたそらるさんが、僕ごとAを抱きしめた。



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囀李 - 私の名前これさえずりと読みますわかるよね?でも、この曲私の心と同じで泣けるんですよね。 (2018年10月24日 20時) (レス) id: 00238eb098 (このIDを非表示/違反報告)
nmr_mai0128(プロフ) - ほんとに感動しました!もう読み終わったときに涙が止まらなくて...こんなすごい小説を書けるってすごいですね! (2018年10月19日 23時) (レス) id: df6b3d5650 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:有紀 | 作成日時:2018年10月16日 19時

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