ただ、傍にいるだけ。 2【忍足侑士】

By your side_89 ページ45

帰省前日…最後の準備をするために出掛けていた

勿論、荷造りは出来ているからお土産を買いに来ただけだ

頼まれたものは多い…定番なものからコアなものまで様々だ

買い揃えるとかなりの量になったので謙也が迎えに来るのはやはり助かる



「…あとは……あっ」



リストにはないものの心惹かれたものがあった

あぁ、これは謙也用に間違いない

特に頼まれたわけでもないが私はお土産が積まれた籠の中に一緒に入れた



「あぁ、今日は関東大会決勝だから……奮発するんだった…

買い忘れたら鰆が無駄になる」



どうせ、明日から帰省するのだし

一応、頑張っているであろう侑士にもご褒美は必要だろうし

こんな大きな店ならいい食材も買えるだろうし

様々な意味で丁度いいと考えていたので予定通り、私は店内を歩き回って様々な食材を探した



「鮭の切り身二つお願いします」

『嬢ちゃん、今日は魚でも焼くのか？』

「メインはきずしです、昨日から鰆準備してるから

鮭は粕汁に入れるつもり…エイヒレ何て置いてないですか？」

『嬢ちゃん、おっさん臭いな…オジサンと変わらねぇぞ？』

「決して、私の趣味ではないと否定します…同居人の趣味」



暫く、その店主と話していい酒粕を売ってくれる店も教えてもらって

欲しいものは全部買えた

時間の掛かるものの仕込みは全部終わっているし

あとは、軽いものを作って侑士を待つだけになりそうだ



「早く終わったら、荷物の最終確認だけしないと…」



ぼんやりとそんなことを考えながら私は帰路についた

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