ただ、傍にいるだけ。 2【忍足侑士】

By your side_78 ページ34

疲労困憊の皆にタオルとスポーツドリンクを配った

疲れていてもくっついてくる体力はあるのか長太郎達は

楽しそうに私の両脇に陣取って私のいない間の話をしていた



「って、感じでした！」

「そっか、じゃあ…思ったより楽しんだわけだ」

「初めてしましたけど、楽しかったです

けど、俺も鳳も勝てはしなかったので…来年までにもっと頑張ります」

「……やったことなかったのに来たのね」



それは知らなかった

その割には全員、疲れ切ってる…それなりに出来ていたのだろうか？



「二人とも思ったより筋がよかったよ

来年、準レギュラーぐらいは来るんじゃないかな？」

「情報どうも」

「いいよ、俺が思ったことを教えただけだから」



滝はそう言って笑った

それからも聞いていないのに色々教えてくれた

総合すると、それなりに将来有望と言うところだろう

まあ、かなり不本意なことに双方とも関係がある私としては

どちらも、好印象なのはいいことだ



「まあ、どちらにせよ…恙無く終わりそうで何よりだよ」

「尾前さんは面倒事とか嫌いそうだしね

円満に終わるのが一番ってところかい？」

「そんなところだよ

あぁ、そうそう…跡部に終わってから言っておいてよ」

「んっ？どうかした」



私に視線を向けた彼は私の言葉を待ってくれた

まあ、こんなこと言う義理なんてないが…



「今日は中々、楽しかった

“アレ”については一切考えないけど

ここが面白いところだと思ってるのは確か…って伝えといて」

「何それ？

まあいいよ、頼まれてあげる…面白そうだから」



…何となく意地悪な笑みを浮かべていたような気がしなくもないが

見間違いだと思う事にしよう

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