虚色アルバイト【創作】 (ページ15)

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【喫茶虚色】ページ15

明日side

明日「はぁ..はぁ...」
この街には沢山の人がいるのだと、初めて思った。中学生がスマホを見ながら歩いたり、恋人と手を繋いだり、親子が仲良く話していたり、トラックに荷物を運ぶ人、濃厚な豚骨スープの匂いがするラーメン屋に並ぶ人。
書店の店員さん、コロッケ屋のおじさん。

クラスタ「着いたよ！！」
引いていた俺の手を離すクラスタ。
久しぶり走ったので視界が少し霞んでいるが、赤レンガの壁に食品サンプルが並んであるショーウィンドウ。
緑色の植物が赤レンガの壁に張りつく昔からあるのだ思わせる外見。
ダークの木ドアの上の看板に掲げてある【喫茶虚色】。

明日「こ、これ...？日野さんが言ってた..喫茶店って...」

クラスタ「うん。早く入ろーー！」
立派な大人なのに子供のようにはしゃぐクラスタに俺は気が重くなるが、クラスタの後に続く。
ダークの木ドアを開けると、小さな鐘の高い音が2回鳴り、暑くなった体が室内の涼しい空気に包まれた。

日野「いらっしゃいませー..ってクラスタと明日君？」
黒いシャツの上に緑色のエプロンを着た黒髪のツーブロックの男性が出迎えた。
あと身長高い。イケメン。
もしかして....この人が日野、さん？

日野「あはは....ありがとう..」

明日「え？」
今、この人は何に感謝したんだ？