どこからどう見ても ページ8
「あれ……ここ、なんで……私の」
「ここで暮らしてるんだよな。今、Aは」
戸惑いを隠せない様子の少女を余所に、待たせていた三人の姿を見つけると、司はすぐに駆け寄って声を掛けようとした。
「――う〜ん……大丈夫かなあ……」
「なんだ、どうかしたか」
揃いも揃って難しい顔をしていたえむ達の元へ近寄るや否や、寧々が険しい顔で言う。
「なんか、Aが『調子が悪いみたいだからセカイで待ってる』って」
「なっ、なんだと！！ 今日一日、無理させていたというわけか！？」
「疲れが溜まっていたというのもあるのかもしれないね。Aくん、今朝は随分と張り切っているようだったから」
司への状況説明をあらかた済ませると、類達の視線は自然と彼の背後の少女の方へと向けられた。
「――って、え……Aちゃん！？ あれ、でも、あれっ！？」
「うそ、なんでこっちに……どういうこと……！？」
えむと寧々は混乱するばかりで上手く言葉を繋げられずにいた。
一方で類は、至極冷静に状況を分析していた。
「……彼女が――現実世界のAくんなのかい？」
「それが、だな……」
司は彼らに、先程会ったこの少女について説明し始めた。
彼女は間違いなく、どこからどう見ても、二年前に行方不明になった自身の幼なじみであるAに違いない――はずだが、彼女の言動を見る限りは、まるで初対面の人間に接するような態度であったことを告げた。
「……記憶喪失なんです、私」
「やっぱりか……」
司は小さくため息をつく。
予想していたことではあったが、実際に本人の口から聞くとなると、やはりショックが大きい。
「あの、外で話すのも何ですし……良かったら上がっていきますか？」
遠慮がちにそう提案してくる彼女に対し、司は「そうだな」と短く返すしかなかった。
＊『ｶｰﾃﾝｺｰﾙに惜別を』、ヤバかった……胸が苦しくなります。
本作は時間軸を考えるのが厳しいためイベストのことは考えずに書いているのですが、3周年で進級があることが確定してるのでそこら辺どうしよう〜となっております。下書きのストックはまだまだあるけど、ｱﾆﾊﾞ頃にそーいう展開になるよう調整すべきか……。
私の他にうらつくさんでプ夢を長期連載してる方あまり存じ上げないんですが、いたらどうお考えになられているのか気になりますね〜
それと板タブを買ったのでどこかで絵を投下する可能性が微レ存です
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作者名：あきいろ | 作成日時：2022年9月18日 8時
