Leo/need ページ40
「なまえちゃんっ!!」
「……! 咲希ちゃん……!?」
病室の扉を開けた途端、Aは驚いた様子で目を丸くする。
しかしそれも当然だった。司が連れて来た少女を――少女らを見て、彼女は息を呑む。
「会いたかった……会いたかったよぉ……」
咲希は泣きそうな声で言いながら、Aの元へ駆け寄る。ベッドに座る彼女の手を取ると、ぎゅうっと握りしめた。
「あ、あの……お身体のほうは?」
「うん、もう平気だよ。心配かけてごめんね――穂波ちゃん達も、わざわざ来てくれてありがとう。どうお詫びしたらいいか……」
「そんな……! わたしも、もう会えなくなったらどうしようって不安になっちゃってたので、こうしてまた話せてすごく、嬉しいです」
咲希と同様、穂波も目に涙を浮かべながらAに思いの丈を吐露する。その隣では一歌が何度も首を縦に振っていた。
「咲希達もお前のことを心配していたから、今日のお見舞いに連れてきたんだ」
「司さんもですけど、咲希もAさんがいなくなってから相当落ち込んでたので。本当に長い間、ずっと」
「そう言うしほちゃんだって」
「……余計なこと言わなくていいから」
「テレなくてもいいのに〜」
志歩と咲希のやりとりを聞いて、A達は思わず笑みを零す。
「よかった、みんな仲良さそうで」
「ああ」
安心しきった表情を見せるAに、司は静かに微笑む。
その後は、咲希達がLeo/needを結成した話や昔の話をして、時間はあっという間に過ぎていった。
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作者名:あきいろ | 作成日時:2022年9月18日 8時