第103話 保険ポーション ページ6
『意味深な顔って…』
「そりゃ、なんか複雑なこと心配してる顔のことやで」
カチャりと硝子の音を立てながら私に渡された瓶。
中ではレモン色に淡く光るポーションがゆらゆらと光を反射していた。
『なんですこれ』
「まぁ一応、保険で軽い状態異常を取り除くポーションをね。あくまで軽い状態異常だから今のAちゃんには効かないと思うけど…」
手渡された瓶を落とさないように大事に持つ。
やはり軍医のしんぺいさんから見てもこれは重い状態異常らしい。
まぁ正直、ですよねって感じである。
『ありがとうございます』
「今すぐ消せればいいんだけど…シャオロンは魔力量が魔法使いの中でも特段高いほうだからね。これくらいじゃ呑み込まれてまうねんな」
私はまだ彼等の能力を見たことがあまりないが、仲良くなったここの従業員に聞く限り相当化け物らしい。
能力そのものがチートというより、本人達の技術力と魔力量がえぐいだかなんだか。
つまり努力という私とかけ離れた力であり、縁のない言葉。
流石に知らなすぎるのでそろそろ図書館にでもお邪魔しようと思っている。
私、脳的な努力はできないけど肉体的な努力は好きな方だからね。
好きな教科とか聞かれたら体育って答えるくらいには。(好きなだけで運動神経が良いとは言っていない)
「流石に命が吸い取られるようなことはないと思うから安心し」
『本当ですか！？じゃあよかったです…』
「まぁ…いつまで咲いてるかはわからないけど」
やっとの思いで恐る恐る手を伸ばして頭の花に触れてみるが、触れた感覚普通の花だから余計に怖い。
「花…やし、そのうちシャオロンが注ぎ込んだ魔力がなくなると同時に枯れるんやないかな」
『…それまで、どうしましょうかこれ』
命が安全と聞いた次、心配になるのはこの派手派手な見た目である。
揺れるたびに緑色に光る粉のような物を撒き散らすのだ。
まるで某妖精の粉。
こんなの頭に咲いたまま要塞内を歩いてみろ…視線が痛いどころの騒ぎじゃないぞ。ワンチャン追放される。
…はないか、原因シャオロンさんだし。
でも不審な目で見られるのには変わりない。
だからといってずっと部屋に籠もっているわけにも行かないし
「じゃあこれ被っとき」
『ぬぁっ！？』
背後からぼふっ、と何かを被されて視界が暗く遮られ見えなくなる。
慌ててその何かを取ると、それは見慣れたウィスキー色のような鈍い橙のニット帽だった。
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弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» 嬉しい言葉ばかりで、夢主ではないですが泣いてしまいそうです。その言葉を心に噛み締めて突き進んでいこうと思います！処女作がこんなに続くと思ってませんでしたし…見てくれる方のおかげです！ありがとうございます！ (8月30日 2時) (
レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - やはり作者様の小説は最高ですね！更新は作者様の自由なので読者側がとやかく言える物ではないので！コメントに更新が途絶えた事を責める意図は全くありません！作者様のペースで更新して頂けると嬉しいです！どれだけ期間が空いても私はファンなので！ずっと好きです！ (8月29日 20時) (レス) @page38 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» またもコメント、ありがとうございます！楽しんでいただけて心から嬉しいです！更新が途絶えていてすみません…少し色々ありまして。完結はちゃんとさせるつもりなので、気長に待っていただけると…！ (8月29日 10時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - ずっと気になるところで更新が途絶えてたので、ドキドキしてたんですけど、今日も読もうって思って見に来たら更新されてる！？貴方が神でしたか…本当にありがとうございます…楽しませてもらってます！大好きです (8月28日 17時) (レス) @page30 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - コメントありがとうございます！貴重なお時間使ってまでも一気読みなんてとても嬉しい限りです…！好きと言っていただけるだけで励みになります！更新頑張ります！ (2023年1月30日 16時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弦 | 作成日時：2022年12月6日 6時
