第98話 過保護 ページ49
総合監視室へと足を動かしながら耳元に手を当てる。
着拒とか私がとてもとてもしていい分際じゃない…
《…はぁい。ロボロですぅ〜》
『っア、すみませんロボロさん！！』
いつもと変わらない間延びした声が待つ間もなく聞こえた。
《Aちゃんか、何ともない？》
『ないです、立て込んでて出れなくてごめんなさい』
このインカムは本来、恐らく魔力に敏感な幹部用だから着信は音ではなく特殊な魔力の波動なんだろう。まだ慣れていないと他に何か没頭しているときは反応しづらいのだ。
《んや、要塞内に姿が見えんかったからちょっと心配になっただけや》
『勝手に出ちゃってすみません…』
語尾にすみませんかごめんなさいが常に付く癖陰キャすぎて辛い…
謝りぎて安っぽく聞こえるじゃないか！！
《頼まれて出てたんならしゃあないんや、俺も気にしすぎてん…ごめんな》
『いえ！心配してくれてありがとうございます！』
心配されると罪悪感っていうより、正直嬉しい気持ちが勝ってしまう。
だってそれって大切にされてるってことだから。
《でもショッピの頼み、別に断ってもよかったんよ？まだ魔法慣れしてへんくてリスクもあっただろうし》
『いえ、役に立てるなら嬉しくて』
《……我々国の連中じゃなくてもか？》
『え？』
一瞬、ロボロさんの声が低くなった。
《…あ、いや。すまん忘れて…この後手伝いよな？》
『…？はい』
《無理せん程度に頑張りや》
『ありがとうございます！では失礼しますね』
…あの言葉の意味考えとこ
・
通話が切れて沈黙が流れるとある無機質なモニター室。
几帳面に並べられた液晶に視線を留め、弧状の机の前に座る一人の幹部は静かに考え込んでいた。
「(分かってんねん、自分が過保護すぎることなんて)」
以前と違うことなんて言われなくとも自分が一番分かっていた。
それでも彼女が頼れるのは自分しかいないのだと心の何処かで、どうしても思ってしまっていたのだ。
できることならばなんだって手を貸して上げるつもりだった。
だというのに、彼女は無理矢理にでも前を向いて一人でやり遂げようとする。…すぐに顔に出る泣き虫な癖に。
他の人よりも少し大きいインカムにまだ手を当てたまま、ぽつりと一言零れた。
それは安堵と心配とほんの少しの執着心が込められている。
「…前なんて見なくてええ。ここで、生きてるだけで」
ただ、生きてくれているだけで。
異世界人生押されて泣くな！�挟�
�靴愨海�
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弦(プロフ) - 人外人間白乃雫さん» コメントありがとうございます！御本人様自身もよく言われてらっしゃいますよね…！ (4月16日 23時) (
レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - 98話のrbrさんのセリフの「はぁい。rbrですぅ〜」が脳内再生ゲロ余裕で笑った(言葉使い()) (4月16日 6時) (レス) @page49 id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - ピット☆さん» コメントありがとうございます！え、そうなんですか…！？知りませんでした、教えていただきありがとうございます！確かに青い鳥荒れてましたね…少しの間鍵をつけようかと思います…！ご報告、本当にありがとうございました！！ (2022年3月24日 15時) (レス) id: 3066eb4d27 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - コメント失礼しますっ！この作品と作者様がとても大好きです！大好きだからこそ鍵付いて読めなくなったら辛いですが伝えさせて頂きます…！最近青い鳥にてnmmnの晒し・荒らしがあるとの事なので落ち着くまで鍵を付ける方がいいかも知れません…、お気を付けて下さい！ (2022年3月22日 12時) (レス) @page21 id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - るきあさん» コメントありがとうございます！！喜んでいただけただけで私は満足一本でございます…！ちょっと今の所ﾛﾛﾛさんが多くなってしまっていますが、段々他メンバーさん距離を縮めるつもりです！(餌付け組がわからない無知な作者ですみません…) (2022年3月18日 11時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弦 | 作成日時：2021年12月10日 8時
