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「っあーーー!!! 折れる! 折れる折れる折れるちょ乱数さん!? 離しっ折れますって骨がぁああああ!!!」
「バカァ!! Aのバカほんっとバカ!! なんで事故になんて合ってんのもっと周りに気をつけなよねえ!!?」
病院の個室に響き渡る二つの声。いやこれほんと相部屋とかじゃなくてよかった。
凄くないかH歴。この個室、相部屋より安いのよ? 女性優遇されすぎ。
目を覚ました、と連絡を入れてすぐさま来たのはシブヤの面々だった。連絡を入れた一時間後に個室に押しかけて来て今に至るんだけど……っていうかそろそろ骨が折れそうだから離してほしい。抱き締められるのはいいけど力加減って大事だと思うの!!
「これ乱数。それ以上やったら骨が折れてしまいますよ」
「なんか心なしかミシミシいってねぇか?」
一緒に来ていた夢野さんと帝統さんが助け舟を出してくれた。いや死ぬ、ほんと死ぬ息……。
「っは! はぁっ、は、ああ〜〜死ぬかと思った〜」
やっと解放され十分な酸素を取り込む。息ができるって素晴らしい……。
何回か深呼吸をして落ち着いた後に乱数さんを見上げて。そんで、私は固まった。
「え、ちょ、なんで泣いてるんですかちょっと、乱数さん? え、え!?」
ボロボロと、それはもう大粒の涙を流す乱数さんが唇をきゅっと結んで私を見つめていた。
泣いた姿も可愛いですね、とか言おうものなら私はこの先特殊性癖持ちとして扱われかねないから言わないしこの状況に相応しくない言葉って分かってるから言わないけど待って本当何事!?
「も、ほんっと……! もう会えないかって、思った……!」
「………………ごめん、なさい」
これは、何をどう言えば正解なのだろう。わかんないなぁ。
本当、こんな時にこういう言葉しか出ないから困る。
「ぇと……乱数、さん」
「……なに」
「ただいま……です」
へらり、とぎこちない笑顔になった。もっといい言葉とかなかったのか。でも思いつくのがこれしかない。これしか思いつかないのだから仕方ない。
けれど乱数さんは。目を見開いて、そしてまたくしゃりと顔を歪めて唇を結んで、ぼろぼろと涙を零しながら言ってくれた。
「……おかえり!!」
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ユズヒ(プロフ) - 月華姫さん» お久しぶりです!お元気にしていましたか?また読んでくださったんですね!ありがとうございます!!先程ちょこっと更新しましたので、本当に少しなんですけど、ぜひお読み頂ければ嬉しいです…! (2021年9月6日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ニケさん» コメントありがとうございますお返事大変遅くなってしまいすみません!!!一年!?前!!??本当に申し訳ないです…。気力が絶賛お亡くなりで続きを全く更新していなかったのですが、先程ちょこっと更新してきましたので、ぜひお読み頂ければと思います…! (2021年9月6日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - お久しぶりです!久しぶりに1話から全部読みましたが世界観に、また引き込まれました!!此れからも応援しています(`・ω・´)bではまたっ♪ (2021年9月6日 16時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - 凄い面白いです!最後感動しました!私も何回か読み返しました!コメント遅くなってすみません。あつかましいですが、是非続きが読みたいです!応援しています! (2020年4月27日 20時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - sioさん» コメントありがとうございます!!ひえええ読み返していただけてるとは本当に嬉しい限りです……! 最近更新できてなくてすみません…! もう少しで!更新できるかと思いますので……!! (2019年12月1日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年3月27日 5時