♪ ページ33
「どうせ独りなんだよ。どこに行っても、
「うん、そうかもね」
私が声を発したのを聞いた“私”は、その暗い目でこっちを見続けてくる。あんな目をする“私”が自分の中にいたのかとつい驚いてしまいそうだった。無意識とは恐ろしい。
「独り、なのかもしれない。どこに行っても私は結局独りだって、例え現実が違ったとしてもそう思い続けるのかもね。わかんないけど」
まあ今までの十数年……数十年？ の間、心のどこかでずっとそう思ってきたんだ。そうすぐに考えは変えられない。変えられたら苦労なんてしない。頭でわかってても、そんな簡単に心が受け入れられるか、となるとやっぱり答えは「ノー」なんだと思う。
「……でもさ」
それでも。そうだとしても。
「そういうの関係無く、私さ、あの人達に会いたいんだよね」
ニッと、少し困ったような笑い方になってしまったかもしれない。
でも、これが事実。口にしたのは本当のこと。私は、あの人達に会いたい。わざわざ私なんかの為にこんなとこまで助け舟を出して、手を差し伸べてくれたあの人達に、会いたい。
「…………信じられないくせに？」
「っはは……あー、本当に都合のいい話だってわかってんだけどさぁ。会いたいって思ったんだから仕方ない、というか……。信じられるように頑張るよ。だって向こうが私のこと信じてくれてるのに、私は信じてないんじゃフェアじゃないもんね」
口に出た言葉に納得する。
私を信じてくれている人達を私が信じないってそれってどうなの。私のことを考えてくれる大事な人達を信じないってなんなのか。
「……初めて、会いたいって思う人ができたんだね」
「ん、そうだね。うん、そう」
「そっか。そっかぁ……」
くすり、と“私”が小さく笑った。瞳に光が混じったのはきっと見間違いなんかじゃないはずだ。
「じゃあ行かなきゃね。こんなとこにずっといちゃ、その人達に悪いし」
「うん。だから行くよ。じゃあね」
「こんな所、もう来ちゃ駄目だよ、私」
「頼まれたって来ないよこんなとこ」
ため息混じりにそう言って、ばいばい、と手をひらひら振り教室を後にする。手を振り返したかどうかはわからないけれど、確かに彼女は私の背中に「バイバイ」と返事をしてくれたのだった。
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ユズヒ(プロフ) - 月華姫さん» お久しぶりです！お元気にしていましたか？また読んでくださったんですね！ありがとうございます！！先程ちょこっと更新しましたので、本当に少しなんですけど、ぜひお読み頂ければ嬉しいです…！ (2021年9月6日 23時) (
レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ニケさん» コメントありがとうございますお返事大変遅くなってしまいすみません！！！一年！？前！！？？本当に申し訳ないです…。気力が絶賛お亡くなりで続きを全く更新していなかったのですが、先程ちょこっと更新してきましたので、ぜひお読み頂ければと思います…！ (2021年9月6日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - お久しぶりです！久しぶりに１話から全部読みましたが世界観に、また引き込まれました！！此れからも応援しています(｀・ω・´)ｂではまたっ♪ (2021年9月6日 16時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - 凄い面白いです！最後感動しました！私も何回か読み返しました！コメント遅くなってすみません。あつかましいですが、是非続きが読みたいです！応援しています！ (2020年4月27日 20時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - sioさん» コメントありがとうございます！！ひえええ読み返していただけてるとは本当に嬉しい限りです……！ 最近更新できてなくてすみません…！ もう少しで！更新できるかと思いますので……！！ (2019年12月1日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユズヒ
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作成日時：2019年3月27日 5時
