モノクロだった夢 ページ19
「あれ……?」
ふと、教室の後ろに並べられた棚の角にちょこんと存在を主張する黄色い薔薇が目に入った。グレーの一輪挿しに映える、綺麗な薔薇。
モノクロの教室に現れたそれは、なんだか輝いているように見えた。
こんなの、さっきまであったっけ……?
「綺麗……」
近づいてその薔薇を眺める。はー、こんな綺麗な薔薇とかめっちゃ久々に見たな。誰が挿したんだろう。
ガタガタと聞こえる音に振り向けば、クラスメイト達が席についていた。どうやら次の授業が始まるようだ。私も授業の準備をしなきゃいけないからと自分の席に着くと、机に置かれた見覚えのあるような無いような「何か」があった。
「なにこれ。社員証……?」
持ち上げてまじまじと見てみれば、それは確かに社員証だった。よくサラリーマンが首から下げてるあれ。……いやいやなんでこんなもんが私の机にあるんだよ。
赤いストラップがついた社員証には、なんか、なんだ。顔写真は無いし名前も無いし社名も無い。ただ、このデザインだけは見たことあるような……。
がらがら。教室のドアが開く音がした。
パッと顔をそちらに向けると、いつも通り先生が、い、て……。
なんで今日白衣着てんだあれ。
「ちょっとぉ……意味がわかんないですね……?」
ひくりと口の端が引き攣った感覚。呟いた声に反応する人は当然いなくって、あいも変わらず生徒教師はモノクロで時計は10時4分を差したままだった。
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ユズヒ(プロフ) - 月華姫さん» お久しぶりです!お元気にしていましたか?また読んでくださったんですね!ありがとうございます!!先程ちょこっと更新しましたので、本当に少しなんですけど、ぜひお読み頂ければ嬉しいです…! (2021年9月6日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ニケさん» コメントありがとうございますお返事大変遅くなってしまいすみません!!!一年!?前!!??本当に申し訳ないです…。気力が絶賛お亡くなりで続きを全く更新していなかったのですが、先程ちょこっと更新してきましたので、ぜひお読み頂ければと思います…! (2021年9月6日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - お久しぶりです!久しぶりに1話から全部読みましたが世界観に、また引き込まれました!!此れからも応援しています(`・ω・´)bではまたっ♪ (2021年9月6日 16時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - 凄い面白いです!最後感動しました!私も何回か読み返しました!コメント遅くなってすみません。あつかましいですが、是非続きが読みたいです!応援しています! (2020年4月27日 20時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - sioさん» コメントありがとうございます!!ひえええ読み返していただけてるとは本当に嬉しい限りです……! 最近更新できてなくてすみません…! もう少しで!更新できるかと思いますので……!! (2019年12月1日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年3月27日 5時