十四話 ページ16
その後、母と父は離婚
その際に、母は家から勘当されてしまい
音楽家としての名前も失った
母は兄を連れて家を出ていった
私は父と共に海外を飛びまわる生活をしていた
色んな語学を勉強して、色んな友達を作った
バレーをして、遊んで
それなりに順風満帆な生活を送っていた
私がまだ12歳の頃イタリアの音楽会に一人で言った時
たまたま、母の知り合いがいた
｢君はよく母に似ているが、少し違う｣
『どこがですか？』
｢君の母、ニコライは人を惹きつける音楽だ
君自身の音楽は、人々を圧倒する音楽
ニコライが目指していたものだ｣
”天賦の才能”
その人はそう言った
私自身の音楽を初めて褒められた
その日、もう一度音楽が好きになった
,
私が中学に上がるともに、日本に戻り
日本の中学校に行った
１年生の頃からバレー部に入り、バレーを極めていた
まだ、楽しかった
バレーを純粋に楽しめた
2年生に上がり練習に励んでいた頃
帰り道、普段はあまり寄らないコンビニに少し寄った
その時の友人とは家が逆で、小腹を満たすために一人で少し何か買って食べてから帰ろうとした
たまたま目に入ったバレー特集と大きく書かれた雑誌
気になり開いてみた
本当に好奇心だった
『ボクト…コウタロウ』
思わず雑誌を握り締めそうになる
あの人はバレーをしていた、ずっと
でなければこんな所で出会わない
母は、本当に兄しか見ていなかった
私の事など眼中に無いのだ
兄は、こんなにも輝いているのに
私は一体何をしているのだろうか
その日を境に私はバレーにおいてチームプレーを放棄した
自分の才能を開花させるためには、これしか思いつかなかった
ちょうどこの頃、監督が変わり
新しい監督は私の考えを理解してくれた
カバーなどしない、個々の力を引き出すバレー
完全な一人プレー。それが許されるのは
私達だけ
｢カバーなどするな、打ち切れぬのなら打ちきれないやつの実力不足
お前達はお前達の才能を開花させろ｣
その頃から、バレーが楽しくなくなった
ボールを取れないなど論外、打てないなんて話にならない
求められるのは自分の実力のみ
感情を殺す、私はただ勝利を求める獣になる
その頃からきっと、私にとってバレーとは苦痛で仕方がなかったのだ
続く
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真柴白 - 更新期待してま頑張って下さい（*'‐'*)♪！！ (2021年1月27日 4時) (
レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
月下恋樺(プロフ) - MA.Sさん» コメントありがとうございます！ホントだ……オリキャラ入れた時にごっちゃなっちゃったと思われるかと…、全員一度訂正致しますね！ご愛読ありがとうございます！ (2020年7月19日 5時) (レス) id: 05ae760f2c (このIDを非表示/違反報告)
MA.S - いつも楽しく拝見させていただいております。設定にあります、イナリ崎二年のクラスなのですが、アツムとギンジマくんが二組でスナとオサムが一組ではないでしょうか…？こちらの勘違いしますでしたら、申し訳ございません。今後とも作品を楽しみにしております！ (2020年7月19日 1時) (レス) id: 63fe28e87a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月下恋樺 | 作成日時：2020年7月16日 0時
