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十三話 ページ15

母と父は親同士が決めた政略結婚

母の家は代々音楽家として

父の家は代々事業主として成功を収めていた



そんな中の父の日本代表入り

祖父母達は反対せず応援したそう



条件として出たのが政略結婚

父はプロになるために政略結婚を選んだ



母と父が結婚した頃には

母はかつての恋人との子供を妊娠していたそう



結婚してすぐ兄は生まれ、父はすぐに自分の子ではないことを悟った

だが、自分の子供に変わりはないと愛したという



兄はバレーを始め、バレーの選手になると言っていたそう

兄が生まれて約1年後に私が生まれた



正真正銘、母と父の子供だった



物心ついた頃には、家にいたメイドや執事が身の回りの世話をしてくれていて

母と顔合わせることなどなく、兄とも遊んだことがない

家族で会ったことあるのは父と父方と母方両方の祖父母達だけだった



母が音楽の世界に戻り、世界中を飛び回っている頃

父が母には内緒で兄弟で一緒にバレーをしようと提案をしてきた

その日、初めて兄を見た___


コンコン

「入っておいで」

『しつれいします…』

「……光太郎、お前の妹だよ」


「お前がAだな!!

おれがおまえのにいちゃんだぞ!」

『う、うん、おにいちゃん…』



嬉しかった、兄と会えて

単純に家族と会えた喜びが私に生きる意味をくれた



私達は庭でバレーをしていた

私と兄は打つのが好きでも、クロスとストレートで別れていた

初めて家族と遊んだ



「…ちょっと、何してるのよっ…!!」



帰ってくるはずのない母が帰ってきた



「お前…今週は帰って来ないって」

「なによ、私が帰ってきたら不都合でもあるわけ?

光太郎とあの子を遊ばせられないって言いたいの!?」



母は兄の手を引っ張って私から離した



『おにいちゃ……』


その頃の私は何が何だか分からず、兄に手を伸ばした



「触るなっ!!」



母はそう言うと私の手を払う



「なんで……貴方なんて産んだのかしらっ!

光太郎よりも、貴方を育てるなんでお母様達もどうかしてるわ!!!」

「お前!自分の言ってること分かってるのか!!!」



祖父母達は私を長女として育て上げ、シリッツァ家の音楽家として世に出すつもりだったらしい



嫌だった

誰かが敷いてくれたレールを渡るなんて

私じゃない、そんなの、私の人生じゃない



その日、私は音楽が嫌いになった

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真柴白 - 更新期待してま頑張って下さい(*'‐'*)♪!! (2021年1月27日 4時) (レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
月下恋樺(プロフ) - MA.Sさん» コメントありがとうございます!ホントだ……オリキャラ入れた時にごっちゃなっちゃったと思われるかと…、全員一度訂正致しますね!ご愛読ありがとうございます! (2020年7月19日 5時) (レス) id: 05ae760f2c (このIDを非表示/違反報告)
MA.S - いつも楽しく拝見させていただいております。設定にあります、イナリ崎二年のクラスなのですが、アツムとギンジマくんが二組でスナとオサムが一組ではないでしょうか…?こちらの勘違いしますでしたら、申し訳ございません。今後とも作品を楽しみにしております! (2020年7月19日 1時) (レス) id: 63fe28e87a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月下恋樺 | 作成日時:2020年7月16日 0時

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