さんじゅうさんわ ページ35
「やっと妹だァァ妹成分補給させてくだせぇええ！」
「…」
「ブリュレちゃーん！スムージィイイー！！コンポートォオオ！！！」
「おねえちゃーん！」
「クレイアねえさん久々だ！」
「うぇえええん妹カワイィイイ…」
「元気そうでよかったわ、義姉さん。これ、お見舞いのスイーツ詰め合わせよ」
「さすがコンポート…私のカワイイ妹……」
「……」
「「「(カタクリ/お兄ちゃん/にいさんが無言で見つめている…)」」」
「なんですやいカタクリコさん。今は妹は私のですからね。後にしてくだせぇ後に」
妹たちに笑いかけていたときの明るい笑顔とはうって変わり、スンッと真顔で追い払うような仕草をするクレイア。
「あだだだだ家庭内暴力反対反対」
カタクリはすっと手を差し出し、クレイアの頭を鷲づかんでしばらく押しつぶすように握った。
「お兄ちゃん楽しそうね」
「嫁いじめて楽しいとはなかなかのサド…あいたたたた、ゴメンなさいゴメンなさい」
「ねえさんも嬉しそうだぞ？」
「例え頭が締め付けられていようと、ここにスムージーたちがいるだけで楽園ですからねぇ」
「義姉さん、そこはカタクリといたら楽しいからって行ってあげて」
「カタクリコさん？カタクリコさんといたら楽しいというより落ち着く…？眠くなりあす」
「それっていいことなのか？」
「まぁ落ち着かないよりはいいんじゃないですかねぇ」
「…」
「カタクリコさんさすがにチョロすぎでさぁ」
口元は見えないままだが、義姉にはなんとなく表情が伝わっているらしい。
兄弟の中でも表情の読み取りにくいカタクリ。
兄弟でも読み取れない人はいる。
それでも出会って一年程度の義姉が読み取れているのならば、きっと間柄は悪くないのだろう。
大好きな義姉と大好きな兄/弟が仲良くしているのが嬉しい姉妹たち。
「いたたたたチョロいとかいってゴメンなさい」
「お前は少し褒めたら調子に乗る…」
「カタクリコさんに言われたくな…痛い痛い痛ーい」
…喧嘩するほど仲がいい方かもしれないが。
と姉妹は苦笑するのでした。
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