じゅうろくわ ページ18
おれの名前はクラッカー。
四皇の一人、ビッグ･マムの男女合わせて18人目の子供だ。
強い兄貴達やママが自慢だ。
そんな強い兄貴の中でもいちばん強いのが2番目の兄貴のカタクリ兄貴。
そんな兄貴が得体の知れない女と結婚した。
第一印象は、顔はいいけど食えないやつ。
兄貴達もそれは同じなようで、どこか遠巻きに女を見ていた。
するといつの間にか、コンポートの姉貴たちや妹たちがあの女と仲良くなっていて、おれもなぜかよく構われるようになった。
子供扱いしてくるあの女にどれだけ怒ってもどこ吹く風。
むしろ微笑ましい顔をされるのが腹立つ。
でも、あの女と紅茶を飲むのは嫌いじゃなかった。
お菓子作りはド下手だけど、紅茶をいれるのはなぜか上手いんだよな、あいつ。
それはともかくとして、おれは今日もまたあいつの紅茶を飲もうと思って部屋に向かっていた。
最近少しずつお菓子が作れるようになったとブリュレが話していた。
いつか飴細工のように、振舞ってくれる日が来るのだろうか。
そんなことを思いながら、歩いていると向こうからオーブンの兄貴とダイフクの兄貴が歩いてきた。
「クラッカー。こっちは昨日ママがかんしゃくを起こして廊下を割ったから通行止めだ」
「向こう行くと割れ目に落ちちまうぞ。ついでに聞くが、どこへ行くんだ？」
「そうなのか…ありがとう、オーブンの兄貴。どこかに行こうとしてたとかではねぇよ、ダイフクの兄貴。ちょっと歩いてただけだ」
「そうか、ところでクレイアは見たか？」
「い、いや。見かけてないぜ」
「まだ待たねぇとダメみたいだな、オーブン」
「仕方ないさ。ほかの兄弟達が落ちても困るからな」
兄貴達は、何を話しているんだろう？
気になっておれはそのまま2人の話を聞いていた。
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