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「新しく城を造る時、警備が厳しくなるのはどの段階からだと思う？」
「えーと……、お城を造り始めたとき？」
「そうだ」
城が完成してしまえば攻めるのは難しい。
でも造っている途中なら、簡単に落とせる。
だからこそ城を造っている人たちや城の建材、そして未完成の城そのものを護衛する事が重要になってくるわけで。
「もしその時、近くを……例えばその城と敵対する忍者が密書を持って通り過ぎようとした場合、当然注意を払う。会敵する恐れがあるからな」
山本さんの言葉に、私たちは首を縦に振った。
「では、築城が始まる前ならどうだ？」
「うーん……、あんまり人もいないでしょうし、そこまで気にしないかも……あっ」
城の完成度が、近くを通る人の心構えに関わってくる……ってこと？
「今回の場合は敵……となるかは分からないが、築城前と想定した警戒心でうちの城の近くを通ったとすれば、面倒事に遭遇する可能性は高くなっただろう」
いつの間にか山本さんの手には雑渡さんギニョールが。
解説するようにひょこひょこ動くそれに、伏木蔵の目が釘付けになっていた。
て、それは一旦置いといて。
「じゃあ、清水さんはお城の工事の進み具合を確認するために、ここに来たってことですよね？」
「ああ」
「それって、最初から依頼主さんを疑ってたってことですか……？」
清水さんは小さく頷いた。
「数日前、山に入る時、多数の木材や石材が運ばれているところを見た。……その後にあの依頼が来たものだから、気にかかって」
「――運んでいるところを、見たの？」
不意の質問。
一瞬、清水さんが身じろいだ。
「……まあ」
その答えにふうん、と気のない声が雑渡さんから漏れる。
警戒してたんだけどねえ、と呟く声をよそに、清水さんの話は続く。
「初めは単に、間違えた情報を仕入れていただけかと思っていたんだが、こんな一目見れば分かるような事実を誤って認識するとも思えない」
「あ……、それで嘘だって言ってたんですか」
「でも何でそんな嘘ついたんですかね〜？」
伏木蔵が雑渡さんギニョールの手を持ち上げながら言った。
山本さんから貰ったみたいだけど、前も貰ってたよね……。
「清水さんの警戒心が薄くなるわけだから、むしろ木箱取られたり、依頼主の情報知られたりするような気もしますけど〜……」
「……それが狙いだったんじゃないか」
平然と清水さんは言った。
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kanayamamoto112(プロフ) - 水の術者の67話どのようなお話なのか凄く楽しみです。水の術者主人公君の武器は見つかったのか気になります。 (7月1日 10時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 水の術者主人公君と火の術者ヒロインちゃんの合流楽しみです。次は2人のうちどちらが登場するのか楽しみです。 (7月1日 9時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 待ってました。水の術者主人公君とタソガレドキの押都長烈さんの心理戦楽しみです。続き楽しみです。 (7月1日 1時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 続き楽しみです。 (6月30日 16時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 凄く面白いですし展開が楽しみでドキドキしてます。作者さん体調には気をつけてください。 (2023年2月5日 23時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノート角 | 作成日時：2019年11月19日 15時
