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「学校の先生と、はぐれたと言っていたが……、どこに向かってたんだ？」
「えっと……」
伏木蔵と小声で確認しあってから、
「園田村……の近くです」
ちょっとぼかして私は答えた。
「ああ、そこなら……」
と、言いかけて清水さんは止まった。
「……口頭での説明が難しい」
山道は入り組んでいる上に、目印もない。
当たり前の事だった。
清水さんは少しの間黙っていたが、木箱に落としていた視線を上げてこう提案した。
「……送るか？ 園田村まで」
「えっ……」
「いいんですかぁ？」
「ああ。これの届け先と方角が同じだからな。……ただ、」
「「ただ？」」
きり丸がいたら食いついてただろうな。
目を小銭にして。
「遠回りになる。確かめたいことがあるんだが、……あまり良い道ではない。崖沿い且つ川沿いの道でな」
私と伏木蔵の顔がひきつる。
というか周りの空気が強ばった。気のせいか、ピシッと音がしたような。
「と、遠回りはいいんですけど……」
「すごいスリルー……になると思います〜」
「……どういう事だ？」
清水さんは不審そうに眉を寄せた。
「えっと、私たち、歩けば棒に当たるし穴に落ちるし水を被るような体質なんです」
「……大袈裟に言っているわけではなく？」
「事実で〜す」
「なので清水さんに、たくさんご迷惑をおかけすることになるかと……」
言ってて悲しくなってくる。もはや苦笑するしかない。
清水さんは目を丸くしていたが、不意に表情を和らげた。
「……多分、大丈夫だろう。俺も護身術はわきまえている。むしろ、2人はいいのか？」
「……私たち？」「ですか〜？」
「そんな危険な目に合うかもしれないのに、俺に同行して。守り抜くと、断言できないが」
というか、置いてかれる方が困る。
それにこうやって気遣ってくれる時点で、清水さんは良い人なんじゃないだろうか。
私たちを傷つける事は無いんじゃないだろうか。
不運を避けれるかは、また別の話だけど。
「たぶん！」
「大丈夫です！」
私と伏木蔵は半分やけになりつつ笑う。
それを見たからか、はたまた清水さんと同じ言葉で返したからか。
「……そうか。よろしく頼む」
清水さんは微笑んだ。
「「よろしくお願いします！！」」
本当にありがたい。
ようやくこの状況から脱出できる。
それに、清水さんが園田村まで来てくれるということは、先生や上級生と会わせることができる…。
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kanayamamoto112(プロフ) - 水の術者の67話どのようなお話なのか凄く楽しみです。水の術者主人公君の武器は見つかったのか気になります。 (7月1日 10時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 水の術者主人公君と火の術者ヒロインちゃんの合流楽しみです。次は2人のうちどちらが登場するのか楽しみです。 (7月1日 9時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 待ってました。水の術者主人公君とタソガレドキの押都長烈さんの心理戦楽しみです。続き楽しみです。 (7月1日 1時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 続き楽しみです。 (6月30日 16時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 凄く面白いですし展開が楽しみでドキドキしてます。作者さん体調には気をつけてください。 (2023年2月5日 23時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノート角 | 作成日時：2019年11月19日 15時
