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※
「大声出して」
「「すみませんでした！」」
「いや……俺こそ、急に声をかけてすまなかった」
山一帯に響き渡るような叫び声が静まった頃。
私たちは男性ことお兄さんに促されて、看板近くの草の上、道の脇に腰を下ろしている。
汚れっぷりを見かねたお兄さんが貸してくれた手拭いを片手に、私たちは頭を下げた。
特に気にしていないらしいその態度に、安心したのもつかの間。
沸き上がったのは緊張感にも等しい心持ち。
お兄さんはわざわざ看板の側に座った。
ということは。
(この人が用心棒？)
つまりはあかねさんの友達で、術師で、天女の可能性が高いってことで。
……天人だった。
私と伏木蔵は互いに目配せをしてから、決心して口を開いた。
「この看板、お兄さんが立てたんですか？」
「ああ、そうだ」
「用心棒やってるんですかぁ？」
「拙いがな」
ようやく日銭を得られる程度になった、とお兄さんは看板に軽く触れた。
すごいあっさり認めた。
そっか、隠したいならそもそも看板に近づかないのか。
(……なんか)
静かな人だ。
無口無表情ってわけじゃない。
私たちと普通に会話してるし、微笑んだりもするし。
手拭いをくれた時は気遣う言葉もかけてくれた。
落ち着いてるっていうのかな。
でも堅苦しさは感じなくて。
穏やかな水面みたいな雰囲気。
この調子なら大丈夫そうだと、会話を続ける。
「私、猪名寺乱太郎っていいます。で、こっちは」
「鶴町伏木蔵で〜す、10歳です」
「あ、私も10歳です」
「お兄さんはぁ？」
少し間が空いて。
「
自己紹介のとき、先に言った側と同じ項目を返すって本当なんだ。
というのは置いといて。
「性別と年齢は一致したね…」
「ていうかそれしか分かんないけどね…」
ひそひそと言い合う。
あかねさんが可能な範囲で教えてくれた、友達の情報はこんな感じ。
・男、18歳、水の術師 ← 用心棒と思われる
・男、17歳、風の術師 ← ドクタケの味方？
・女、16歳、土の術師 ← 動向不明
お兄さん……清水さんが“噂の”用心棒かどうか。
断定できないけど、ほぼ確定。
立て看板とかタソガレドキ領にいることとか。
問題はあかねさんの友達かどうか。
天女様はまず服装で分かったんだけどなあ。
清水さんが着ているのは、一般的な旅装束。
着替えたのか、元からなのか。見分けるのはさすがに無理。
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kanayamamoto112(プロフ) - 水の術者の67話どのようなお話なのか凄く楽しみです。水の術者主人公君の武器は見つかったのか気になります。 (7月1日 10時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 水の術者主人公君と火の術者ヒロインちゃんの合流楽しみです。次は2人のうちどちらが登場するのか楽しみです。 (7月1日 9時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 待ってました。水の術者主人公君とタソガレドキの押都長烈さんの心理戦楽しみです。続き楽しみです。 (7月1日 1時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 続き楽しみです。 (6月30日 16時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 凄く面白いですし展開が楽しみでドキドキしてます。作者さん体調には気をつけてください。 (2023年2月5日 23時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノート角 | 作成日時：2019年11月19日 15時
