【忍たま】いづこに失せにけむや : 水

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そっか、天女さんって名前の通り今まで女しかいなかったんだ。私含め。
しかも私、今まで友人の性別言ってなかったみたいだし。

無意識に思い浮かべる姿が女でも不思議じゃないね。



「うーむ、お主の友人の名前や人相を教えてもらうことはできんかのう？」

「……それは、難しいですね。性別・年齢くらいならお伝えできますが、特定できるような情報となると……すみません」



自分で自分の素性を明かす分には問題ない。

信頼できる相手だと自分が判断して話しているのだから、騙されていたとしても自己責任。
騙す人が悪いってのが前提だけど。


ただ自分が、自分以外の人の素性を明らかにするとなれば話は変わってくる。
私の判断に、友人を巻き込むことになるからだ。


その辺は忍者にも共通しているのだろう。
それ以上突っ込まれる事はなく、前述の情報を伝えるに留まった。



「せめて術師か否か、見分ける方法はないものか」

「……見分け方、ですか。術を使う前にじゅっ…術師だと分かる方法ってことですよね？」

「うむ」

「うーん。術師同士なら気配ですぐ分かるんですけど」



難しい。

元の世界でもずっと、所謂一般人に紛れ込めるよう行動してきたから。



(あ……)



1つあるわ。



「もし、他の友人たちも私のようにスマホが使えなくなっていたら、傷痕で判別できるかもしれません」



結構特徴的でしたよね、と話を振れば、乱太郎くんは戸惑いつつも首を縦に動かした。

……気にしてくれたのかな？



「特に左腕を見ていただければよいかと」

「全員そうなんすか？」

「はい。私含め駅にいた4人は全員右利きですので、反動を回すなら左腕になります」



足にやると動きが鈍くなるし、体幹はダメージが大きい。

したがってやむを得ず、消極的に選ばれるのが左腕なのだ。
そこでも受けきれなくなった場合、次に選ぶ部位は人によって異なる。



「他は、そうですね…。瞳が輝くと言われますが、これは一定以上の力を使おうと集中を高める……もしくは使っている時に変わるものですし」



判断材料にするには微妙ですかね、と私は唸った。



「そういえば妖と戦ってる時、あかねさんの目、赤く輝いてましたね。夜の猫みたいでした」

「そうなんですか。戦闘中は鏡とか見れないんで、自分の目がどうなってるかは分からないんですよね」

「みんな赤色なんですか？」

「いえ、扱える力によって違います」



水は青、風は緑、土は黄…というより金色かな。

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