私とアイドル。7【ツキウタ。】

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ディアブロは大きく揺れながらドアの外へと移動していく。






「隼…」



「うん、涙。…ディアブロに着いていってみようか」






隼の言葉に、新と葵、幼馴染二人が飛び出す。その二人を筆頭に皆んなでディアブロを追う。




寮を出てまるで道案内をする様に進むディアブロに必死に着いていく。






…頼むから





「無事でいてくれ…！」









ーーーー






全身黒尽くめの男が舌打ちをしながら通話を終えた後此方に向き直り、体が強張るのがわかる。





「…てめぇ、余計なことしてくれるんじゃねぇぞ」



「っ…ゔぁっ！」






脇腹を蹴られて呻き声が口から漏れる。
痛い。手足縛られて無ければ反撃するのに…



でもそう思いながらも怖くて情けないけど体が震える。隙を見せてはいけない。そう思いながら睨んでいれば此方に近いてくる男。






「適当に選んで誘拐したがお前で正解だったな。金も用意出来るらしいし中々可愛い顔してるし…なあAちゃん？」




「さ、わんな…！」





顎に手を掛けてくる男を睨みつけながら顔を背ければ男は鼻で笑いながら気持ち悪い声で私に囁く。




「立場が分かって無いらしいな。明日まで待ってるのも暇だしな…」





そう言いながら、私の服に手を掛ける男。
次に来る事が直ぐに理解出来、体を捩って避ける。




「逃げるなよー、楽しい夜にしようぜ…？」





近付いてくる男に、嫌だ！と抵抗すれば殴られる頰。
地面に倒されて体制を整えようとすれば私を跨いでしゃがみ、ニヤリと笑う。






「やだ…嫌だ、やめて！！！！」






私が叫んだと同時、バン！と音がしてその方向を見ればドアが開いていてそこには段ボールの箱。




男は段ボール？と呟いていたが私は見覚えのあるそれに目の奥が熱くなる。






ガタガタガタガタと揺れるその段ボール箱に戸惑っている男。そして聞こえる複数の足音。






「A！」




「っ！」





見えたのは見慣れた幼馴染二人が目を見開いた姿と皆んな。







「ーーーー…行け」









隼さんの普段より低い声が聞こえた瞬間、大きく揺れた段ボール箱…ディアブロが光の速さで男に体当たりする






「ゔがぁっ！」







呻き声を上げて私から離れた所で皆んなが駆け寄って来て葵に抱き上げられる。








「A、これ、怪我！」







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